こんにちは。オクユイカです。
今日は、津久見小学校で、セクシュアリティに関する講演をしてきました。
違う場所で講演をした時に、その小学校の先生が聞きに来ていたことがきっかけで依頼を受けました。
全校児童270名+保護者70名+先生 のような形だったから、最初は引き受けようか迷ったんだけど、その先生が「自分の学校でお話してもらえませんか?」と声をかけてくださったことが嬉しくって!
だってね、すごいことだと思わない??
まだまだ、先生方も理解されていない部分もあるし保護者の方からクレームがくる可能性だって否めないと思うの。
自分が教員時代にそれを学校に提案できたか?と聞かれたら、私はできなかったと思う。
発達段階が違う子どもたち、保護者の方にどうやって伝えたらよいのだろう?と丸一日考えたり、直前までパワポいじったりしていたんだけど・・・
一番「どうしよう?!」と心配していた講演が終わったところで、少しホッとしていてます。
講演の後、「感想を言いたい人〜」という先生の問いかけに15人ほどが手をあげて、感想を言ってくれました。
「女の子が女の子を好きなことはダメだと思っていたけど、好きになってもいいんだなぁってことが聞けてよかった」
「男の子になりたかった・・・今も男の子がいいなって思うけど、それでいいのだと思った」
「男の人と男の人が結婚してもいいんだと知れて、よかったです」(結婚はできないけれど結婚式をあげている友だちがいる話をした)
と発表する子もいて、少しでも役にたてたのかな?と思った。
(もちろん、自分の中で反省点はいっぱいあったけどね!)
今って、LGBTに関するあらゆる誤解だったり世間の素直な感じ方を、聞ける立場にいるんですよね。それが結構面白かったりもします。
今日はその中の「誤解」に焦点をあててブログを書きたいと思う。
目次
誤解その1:LGBTは4種類
まずLGBTという言葉を使うと
G(ゲイ)
B(バイセクシュアル)
T(トランスジェンダー)
のことでしょ?となる方も多いと思う。
セクシュアルマイノリティは決して4種類だけではないです。
また、「LGBT」は分類のための言葉ではなく、セクシュアルマイノリティの総称として使っているだけ。
以前書いたブログに詳しく書いていますが
そもそも、「当事者」「非当事者」に関わらず、セクシュアリティは一人一人ちがうもの。
じゃーセクシュアリティが一人一人ちがうのであれば 「セクシュアルマイノリティ(性的少数者)」 って誰の事をさすの?ってなりますよね。
現在の性別二元論からなりたつ社会のシステムに合わない人が「セクシュアルマイノリティ」。
だけどセクシュアルマイノリティをあらわす言葉として「LGBT」という単語が使われている以上、4種類だと勘違いされ続けるのではないかなと思います。
誤解その2:セクシュアルマイノリティ同士は繋がっている
LGBT(セクシュアルマイノリティ)は一括りにされるけれど、一括りにできないものだよー!
私はL(レズビアン)というカテゴリーに入る立場にいるけれど、今のように自分で活動をするまでは、セクシュアリティがゲイの方ともトランスジェンダーの方ともほとんど繋がりがなかったです。
「ゲイの人って本当にいるの?どうやって繋がれるの?」って思うくらい存在を知ることはなかった。
私はゲイの方と友だちになりたくって探していたのに!!笑
普段から、同性の友だちと一緒にいることが多いんだけど、この状態って『恋愛対象になる性別の人達といつも一緒ということ。』
たとえば私が異性が好きだとすると、女一人が常に男の人に囲まれている状態。
わざと誤解を招く言い方をすれば、うはうは状態・・・・。
※決して普段、同性の友だちといるときにいつも浮かれている訳でも誰でも好きになる訳でもありませんが。
だから男の方と一緒にいるほうが気が楽だなぁと感じることもあるのよね。服もメンズ服だから一緒に買い物いったりしてみたいし!
でもそうしたら相手から見たら私は「異性」になるの。
もちろん、恋愛対象になるかならないかは相手次第だし、こんな見た目して「女の子にみられてるかしら、あらヤダわ」なんて思うことはないけれど、
世の中には物好きがいるようで、異性の方に好意を持たれて「ん・・・・?なんかこの雰囲気ちょっとちがうぞ・・・」となることもナイことはないんです。
だから、距離の取り方に困ることがあった。
そうなった時に、セクシュアリティがゲイの方とレズビアンの私というのは、99%の確立で何も起こらないし、
すごく気楽に友達になれるじゃん!って思ってたんですよね。
そう思いたって20代前半の時にはネット上でセクシュアリティがゲイの方を本当に探していたんだけど、例えゲイの方とお近づきになりたくても相手は
「女には興味ないのよ!」的な人が多いから相手にされず・・・。
接点を持てずにいました。
セクシュアルマイノリティって一括りにされてしまうけれど、レズビアンはレズビアンのコミュニティがあるし、ゲイはゲイのコミュニティ。
トランスジェンダ―の方はトランスジェンダーのコミュニティがある。
(バイセクシュアルのコミュニティがあるのかは聞いたことがないので知らない)
そして、お互い繋がっていないよ!!
誤解その3:障がい者、LGBT….というようなケアの対象になっている
勉強会の講師を依頼してくださったある社会福祉士さんとお話をしていた時に「ん?」と疑問に感じることがあった。
それは、LGBT=ケアの対象 という考え方を根本に持っていらっしゃるようだったから。
もしかしたら、LGBTであるということがきっかけになって二次障がい的な感じで精神疾患を患うことはあるかもしれないけれど、LGBT=ケアが必要ってわけではありません。
また、「実際に居た場合にど、ど、ど、どうしたらいいの?!」と腫れ物に触るかのように思っている方も多いんです。
でも、それって当然のことですよね。
【LGBT(セクシュアルマイノリティ)=よくわからない存在】
知らないもの、見たことないものは、誰だって怖いはず。
その腫れ物に触って「いたーーーい!!!」って大声で言われるかもしれないし、触った瞬間になにかが飛び出るかもしれないし。笑
だから、実際に目の前に「腫れ物」だと思っていたものが登場して、話すことで「そうじゃないんですよ~」ってなればいいなと思っています。
お話をする前は「レズビアンの私 対 相手」となっているのが、講演が終わってからは「人 対 人」になっているなぁと実感する時が嬉しい時です・・・。
セクシュアルマイノリティは腫れ物でもないし、「いたらどうしよう?」ではなく実際に目の前に既にいます。
友人がおもしろい投稿をしていたので、許可をいただいて講演の中で使っているスライドなんだけど・・
言えない環境・社会ってだけで、確実にいます。
そして、ケアの対象になるような「病気」「障害」ではなくて、社会の認識が作り出している生きづらさだと思っています。
誤解その4:当事者はセクシュアリティについて正しく理解している
私は今のように人の前でお話しするという立場になってから、やっと「セクシュアリティ」ってこういうことか!!
って理解できるようになりました。
LGBTは4種類って思っていたのも、過去の私自身です。
ちなみに、私のパートナーのミカンちゃん。
ミカンちゃんにとっては、セクシュアリティがどうって関係ないんです。
日本人のほとんどが「セクシュアリティ」について考える機会がなくて、それは『当事者』も『被当事者』も関係ないですよね。
だけど、セクシュアリティについては、理解すればするほど
「なーんだ、こんなことか」って思うようになったし、こんなことでたくさんのひとが悩んでるなんておかしいぞ!!?という気持ちも強くなった。
先月、講演の後に「自分はADHD」という方が私のところに来て
「レズビアンは、自分の一部の要素にしかすぎないというのを聞いて、なるほどと思いました。
自分はADHDだけど、それは自分の一部だなって気がつけたし、自分自身が「ADHDの自分」と「そうじゃない人たち」っていう見方をして壁をつくっていたように思う」
と、感じたことを話してくれました。
レズビアン、ゲイ、トランスジェンダー等々も 本来であれば、自分を構成する一要素。
だけど、この方が言っていたように、紛れもない自分自身が、その一要素で自分を覆って苦しくしてしまったり、他者と自分は違う!と壁を作っている状況になっていないでしょうか?
そうならないためにも、セクシュアリティに関する勉強はみんなしておいた方がいいなぁ〜って思いました。
無知な私も、1年くらいかけて、今一緒に活動している大住珊士(さんちゃん)から勉強させてもらったり、トランスジェンダーのことを教えてもらったりしながらの今があります。
義務教育の段階で1時間でも勉強しておくとそれだけで多くの方が悩まなくてすむのになぁ〜って。思います。
おしまい。