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こんにちは。オクユイカ(@okuyuika)です。
内閣府が実施している「地域コアリーダープログラム」って知ってますか?
今回は、その地方セミナーに参加してきたのでご報告!
福祉先進国と呼ばれるフィンランド・ドイツ・ニュージーランドの高齢者福祉に興味がある方
ぜひお読みください♪
目次
世界の高齢者福祉を知る!福祉先進国ドイツ・ニュージーランド・フィンランドの今。
地域コアリーダープログラムとは
高齢者・障害者・青少年分野の社会活動において、地域の課題解決に貢献できる青年リーダーを育成することを目的に実施されます。
今年度はフィンランド、ドイツ、ニュージーランドの青年 9名が来日し
各国の事情や活動事例に基づく情報を紹介していただくとともに
日本の非営利団体職員との実践的な意見交換を通じて
高齢者・障害者・青少年分野に関する知見を共有するために実施されました。
地域コアリーダープログラムには
- 海外から青年を招へいする事業と
- 日本人が海外訪問し学ぶ事業があり
今回、私が参加したのは招へい事業の一環としてのセミナーです(^^)
福祉先進国の高齢者福祉の取り組み
午前中は、フィンランド・ドイツ・ニュージーランド、そして日本の代表者が自国の福祉についての取り組みなどを発表。
全ては書ききれないので、印象に残っている部分だけご紹介。
フィンランドの福祉
フィンランドは3人に1人の高齢者が孤独を感じており
孤独を感じる人の死亡リスクは感じていない人より非常に高いという調査が出ており
予防の観点から、「孤独」は介入するべき重要なトピックであるという考えのもと、孤独を防ぐ取り組みが進んでいます。
その取り組みの一つが「サークル・オブ・フレンド」
孤独な高齢者同士でグループをつくり、1週間に1度計12回決まったメンバーで会を持ちます。
12回の集まりにはファシリテーターが入るのですが、ファシリテーターがいなくなった後も参加者間の交流や会合が続くことを目的として動きます。
最終的にはファシリテーターは離れます。
孤独を感じる者同士を意図的につなげ、12回の会の後も、継続性があるような人間関係を構築する取り組みです。
その取り組みの結果、10人のうち9人の孤独が和らいだ結果が出ています。
今のところ、7割が専門職で3割が住民ボランティアなのだそう。
Youtube動画がこちら。
ドイツの福祉
ドイツの報告者の話によると、ドイツでも「孤独」が課題になっているそうです。
その原因として挙げられていたのが
- 独居世帯の増加
- 個人主義の増進
- 被雇用者の高い移動性(家族は近くに住まない)
- 女性の方が男性より長生き
- 参加する機会の減少
です。日本と同じですよね。
ドイツの在宅介護率は72.6%。
介護を行う家族へのサポートサービスがあるのですが、それでも家庭への負担は大きいです。
そこを支えているのがボランティアの存在。
そのため、ボランティア活動が今後も広まるような仕組みづくりをしています。
38.5%の高齢者がボランティア活動を行ってて若い世代はそれよりも多いのだそう!!
「ボランティア活動そのものが、その人にとっての孤立予防にもなりボランティア活動をすることが本業にも繋がる。」
という捉え方が浸透しているのだとか。
ボランティア活動はさかんなの?どのようにしてボランティア文化が育っているのですか?
と質問したところ
歴史的な背景なども関係していてるとの回答でした。
連邦州がボランティアを活用して行っている活動を少し紹介します。
多世代交流センターの運営
多世代交流センターというのは
- 地元住民の集う場所
- 近隣住民間のつながりや協力を強化する
- 各年齢層の人々が「集まる」「対話に参加する」「活動的になる」
- 提供される活動または自分自身が考える活動のどちらでも参加できる。
ドイツの多世代交流センターは、実施団体に裁量があり、お金をもらいながら活動ができるのだそう。
シニアオフィスの運営
シニアオフィスは州全体にあり
- ボランティア活動のためのきっかけや環境を提供する→高齢者のための高齢者の教育
- エンパワメント、自助、自立、政治への提言
を行う場所で、高齢者同士の出会いの場にもなっているそうです。
社会福祉協議会のボランティアセンターでも同様のことが行われていますが
その取り組みを更に発展させて力を注いでいる印象を受けました。
ニュージーランドの福祉
ニュージーランドの高齢化が急速に進んでおり、2050年までに人口4分の1が65歳以上になると考えられています。
ニュージーランドの高齢者の大部分は、支援のある快適な生活を送っていますが
以下のような課題を抱えて生活する人々も少数います。
- 約10%やネグレクトを含めた虐待を経験している
- 高齢者の孤立や孤独
- 地域コミュニティの崩壊
- 伝統的な生活スタイルへの課題
ニュージーランドの関係機関は
高齢者が年齢によって制限されない共生社会の中で生活が送れる支援を行います。
また、個々の選択、関心、またはニーズに沿ったケアではなく、決められたケアが画一的に提供されるような従来のサービス提供モデルからの脱却を目指し
高齢者を中心に据えた支援のために、多くの機関との連携かつ学際的なアプローチを提供することを目指します。
ニュージーランドは「自己決定」を重要なコンセプトとしており
ケアや支援の受け方、利用方法などにおいて、クライアント主導の選択と柔軟性を提供することを通して
高齢者ケアの質を向上することに取り組んでいるのだそう。
高齢者が、自分の健康や受けるケア・介護などに関わる全ての選択プロセスに積極的に関わります。
ニュージーランドでも「孤立」を防ぐために地域コミュニティを支援し、
高齢者が参加しやすい社会参加の機会を提供することを目指しています。
具体的には以下です。
- 個人のニーズ、興味、必要なことを認識する。
- 社会参加を行う障壁を指摘する(移動手段、経済状況、健康や身体能力、内的自信、意欲)
- 高齢者のニーズに合うように地域を支援する
- 高齢者が自ら意欲的に、本人にとって意味のある社会活動に自信を持って参加できるようエンパワメントする
国は違えど同じテーマで話すことでの一体感を感じた分科会
午後は分科会!
3グループに分かれ13人でディスカッション。
ドイツ・フィンランド・ニュージーランドのメンバーも加わり
各国で話にあがっていた「孤立」「孤独」がキーワードになり話が進んでいったのですが
- 昔日本にあった地域コミュニティを現代版にして取り戻そう!
- インクルーシブな社会を目指していこう
- 予防の観点を持とう
- 孤独をつくらないことが高齢者が安心して過ごせる・死ぬことができる地域につながる
- 家族の概念を見直そう
地域コミュニティの中で「ボランティア」という言葉を使わずとも
”あの人が困ってるならどうにかしちゃらんとなぁ〜”
って助け合う・支え合う雰囲気をつくっていくことが大切だと思っています。
「家族の概念を見直そう」という話もディスカッションしたのですが、各国の「家族の概念」と日本でいう「家族」は少し違うように感じて驚きました。
ドイツもフィンランドもニュージーランドも「血の繋がり=家族」ではなく柔軟な考え方をしています。
例えば、ニュージーランドでは高齢者とカップル(夫婦)をマッチングするのだそう。
3か月くらい過ごすとカップルの子どもが本当の孫のようになっていくとのこと。
ドイツでは移民の子供たちにドイツの高齢者(おじいちゃん・おばあちゃん代わり)を探すことをしているし
フィンランドでは自宅で見れなくなった子どもや高齢者を別の家で預ける仕組みがあるそうです。
また、「エンディングノート」の話もでました。
ノートに「介護」・「延命治療」・「葬儀」・「埋葬方法」・「財産」などの項目を書き残すこと。
意志を伝えることが難しくなる終末期や伝えることができなくなる死後に、家族・親族に自分の意思を伝えることができます。
日本でも少しずつ広まってきている「エンディングノート」ですが、フィンランドでも
介護が必要になる前に、自分でどの介護が必要かを書きましょうということが法律で決められているそうです。
いろーんな内容の話を3時間以上ディスカッションしたのですが、それでも時間が短く感じるほど楽しかったです!
最後に、各チームで話したことを発表して終了(^^)
興味関心がある方は次回参加してみてください!!ほんと、おすすめです!
やっぱり日本は福祉先進国
各国の取り組みについて学ぶことができるのは非常に興味深く、参加してよかったです。
”自分の国の場合は、こんな取り組みをしているよ”とフランクに話し合えた午後の部は特に。
話していると、各国の歴史的背景や法律・置かれている状況は違えど
「孤独」「孤立」がキーワードになっているのをすごく感じたし、
それって高齢者に限らず人間であれば必ず向き合うワードなんじゃないかと思います。
ドイツ・フィンランド・スウェーデンよりも高齢者福祉を取り巻く状況が深刻な日本。
各国と比べてボランティアが浸透していないのは課題・・・。
ボランティアをする心の余裕・時間の余裕がないのも課題なので「ボランティアしましょう!!」と言葉で言うだけでは難しいとは思いますが。。。
2025年問題と言われるように、2025年には団塊の世代が75歳を超えて後期高齢者となり
国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上という状況になると言われています。
明らかに各国の先を行く日本。今後の対応が注目されています。
国、自治体、福祉施設、地域・・・・それぞれ厳しい状況に置かれていますし、踏ん張りどころになるのかもしれませんが
試行錯誤しながら乗り切って、福祉先進国になるのは日本なのだと思う!
地域コアリーダープログラムは、海外青年を招へいするだけでなく、日本から選ばれた青年を海外派遣しています。
海外の福祉を学びたい!志を持った仲間と福祉について考え行動していきたいという方は応募してみるのはいいかも。
2019年度は高齢者分野はオランダ王国、障害者分野はイタリア共和国、青少年分野はフィンランド共和国
を訪問予定ですが、具体的な内容は決まっていません。
と思って、過去の参加者に尋ねたところ、どこを見学するか・どんな内容にするかなどは参加者同士で決めるそうです!(*’▽’)
私は障害者分野で応募しようかなぁ〜
詳細はコチラ→2019 年度地域課題対応人材育成事業「地域コアリーダープログラム」
以上、オクユイカ(@Saba0m)でした♪