【実践】多様性を認めあう共生社会の実現の難しさと面白さ。

こんにちは。ブログを書かなさ過ぎて、書き方を忘れたオクユイカ(@okuyuika)です

という訳で、近況報告です!!

「多様性」や「共生社会」どちらもよく聞かれるようになった言葉ですが

おく
「言うは易く行うは難し」とはこのことだ!

と思うくらい難しい部分がたくさん。

だけれども、面白さもたくさんありました。

このブログは、多様性を認め合える共生社会を実現したいなぁとの思いでスタートした

地域の集い場みんなのいえカラフルの実録簿です。

共生社会

障害がある、ないにかかわらず、女の人も男の人も、お年寄りも若い人もすべての人が、お互いの人権や尊厳を大切にし、支え合い、誰もが生き生きとした人生を送ることができる社会のこと。

多様性を認め合う共生社会を実現したい!「みんなのいえカラフル」の1年半

カラフルがオープンする前に、想いを書いた記事がこれ。

めっちゃ長いので簡単にまとめると

”今の福祉をどうにかして変えなきゃ!” ”差別や偏見を生み出さないしくみをつくりたい”

”カラフルの場所を通じて、はっきり区切られた「障害者」「健常者」の線を馴染ませていきたい”

そんな思いでスタート!!!

  • 共に「いただきます」ができる場の提供
  • 高齢者の方の居場所づくりを通した介護予防活動
  • 困りごとを抱えている地域の方の駆け込み寺
  • 乳幼児一時お預かり
  • 引きこもりの若者たちの居場所づくり
  • 学童の学習支援
  • 発達障害のあるお子さんの相談・支援
  • 世代間交流ができるイベントの実施
  • 福祉のネットワーク形成を行う。

学習支援はできていませんがその他のことは全て取り組んできました。

むしろ、想定していたよりももっと幅広いことをやることになっちゃった(´・ω・`)

1年で4500人。カラフルな人たちが集う古民家に。

2018年10月、地域の方々の協力により古民家を改修してオープンした多機能地域コミュニティ「みんなのいえカラフル」には月に400名程のかたが訪れます。

こじんまりとした家ですが、1年間運営してみたらのべ4500人を越える来所者がいました。

人口21000人ほどの竹田市なので、結構大きな人数!!

というより・・・

おく
まぁ、そんな簡単に人はこない

って思っていた私にとってはびっくりな人数なわけなのです(笑)

年齢は0歳~103歳まで、あらゆる方がきます。

表向きは地域コミュニティですが、小・中・高校生や子ども連れのお母様、近所の方だけでなく

観光客の方、高齢者施設入所者や障がい者施設通所者、複雑な背景をお持ちの方

精神疾患や認知症のある方等も共に料理を作ったり話をしたりして過ごしてます。

お昼ごはんも、その日に来た方でつくって食べます。(作らないで寝てたりしてもOK!)

スケジュールは特に決まってないので、ゲームしている方々がいたり

他の部屋では勉強する高校生が居たり

来客者の方の持ち込みイベントや他の団体さんとのコラボイベントが開催されたり

(たけたの食べ方編集室さんとのコラボ「江戸時代のごはんをつくろう」)

椎茸のこまうち体験会が始まったり、誕生日会がはじまったり、サプライズイベントがはじまったりと、自由に勝手に進んでいくことが多いので面白いです(笑)

ここでは相手の背景や立場や年齢、障害の有無も性別等々は関係なくて、大事なのは

今、目の前のその人!

という意識で運営してきました。

おく
人間、みんな一緒だ。できることできないことも人それぞれだから困っていたら支え合えばいい
おく
何もしなくても、いるだけで嬉しいからそれでOK

多様だからこその化学反応も。

様々な方が集うからこそうまれる化学反応のような場面もたくさんありました。

高齢の方と乳幼児さんとの触れ合いは、そばにいる私たちもほんわか温かい気持ちになる場面です。

そんな姿を見たお母さんから

「こんなに皆さんに喜ばれるのを見て、この子を産んでよかったと思った」と手紙をくださったこともある。

言葉は通じない者同士ても、一緒に同じ作業をして、ごはんを食べると距離が縮まっていたり。

元理容師さんが、忙しいお母さん方の髪の毛をカットしていたり

肩が痛いといっている高齢者を他の来客者が肩もみしていたり

来客者が、新しくきた来客者にお茶をだして出迎えていたり

いらっしゃいませ~!!

と、元気に言ってくれるお子さんがいたり(>_<)

予約不要なので、誰が何人くるかは全くわからないのですが、毎日面白さを感じながら過ごしています。

初めてこられた方や視察のかたは「誰がスタッフかからない」とおっしゃるのですが、本当にそんな感じです(笑)

おく
常連さんに助けられています

優しさを繋げるそれぞれの役割があって成り立つカラフル。

カラフルでは、お茶やお菓子は無料です。

「100円くらいいただいた方がよい」「そんなんじゃ成り立たない」

当初はそんな声を貰っていて、私もそう思っていたから有料にするつもりでした。

 

でも83歳のカラフルのオーナーよしのさんは、お金はいただかずに

来客者の方に対して

よしのさん
どうぞ、どうぞこれお食べください。
よしのさん
あっ、美味しいつけものがあるんですよ。
よしのさん
今日のお昼が美味しかったからこれ食べて!!

どんどんどんどんどんどん

おもてなしをするのです( ゚Д゚)

 

そんな姿を見ていたら

おく
ぁあ・・・これこそ今の日本に必要なことなのかもしれない・・・

そんな風に思うようになりました。

 

損得勘定で相手を見るのではなく

その方が、来てくれたことが嬉しいからこその表現なんですよね。

どんな人に対しても

”あなたがここにいるから嬉しいんですよ”という表現をするよしのさんのことを私は尊敬しています。

 

そう決めて1年半・・・。

赤字覚悟!!って思っていたのに、不思議とこれまで一度もカラフルでお菓子を購入したことはありません。

 

カラフルを応援してくださる方からの差し入れや

来客者の方からの差し入れをいただくからです。

時には、一度カラフルにきてくださった遠方に住んでいる方から

段ボールいっぱいの差し入れをいただくことも。

 

農家さんや八百屋さんからの野菜や果物のおすそ分けにもかなり助けられました。

野菜や果物を育てることは今の私には時間的にできないし、お金で購入し無償でお出し続けることも今のカラフルには難しくって。

でも、多様な職種、多様な人が繋がってくださっているからこそ

循環がまわっているような・・・

 

私自身にはできないことだけれど、その分、優しさをくださるかたがいるので

カラフルに来られた方が安心して過ごせるようにすること!が私たちの役割なんだ

って割り切ることができた気がします。

 

ここには書ききれない程の、温かくて素敵な場面がいっぱいの1年半!!!

でも、もちろん難しさを感じることも多かったです。

安心できる居場所と多様な人が集う場所の両立の難しさ

様々な方がいるということは他機関との連携が必要になるし、トラブルも起きやすい場面もあったりと

運営の難しさを感じることも多々ありました。

どんな難しさがあったか、思いつくものをピックアップしています。

➀多職種・他機関との連携が必要

  • 行政
  • 地域包括支援センター
  • 社会福祉協議会
  • 近所の高齢者施設
  • 障害者施設
  • 学校
  • 不登校適応指導教室
  • 子育て支援をしている課

等々・・・。

そういった関係機関と繋がりやすいのは小さな市の良さなのかもしれません。

カラフルは高齢者施設に入所されている方からの利用もあるのですが

「何かあった場合はどうするのか?」という話で何回も話し合いをし、周囲の方のアドバイスやサポートがあったから実現できていることだと思います。

やっぱり人との繋がりに、かなり助けられています。

②安心できる居場所と多様な人が集う場所の両立

気の合う特定のメンバーでいつも一緒にいて、その中に自分の居場所がある時って

きっと、そこって安心できる居場所だと思います。

カラフルはそんな状態が「常」ではなくって、多様だからこそ自分と合わない人もでてくる。

それがしんどくて来なくなったかたも実際はいます。

”もう少し、お互いの色々な面を知り合うことができたら・・・”と思ってきっかけづくりを考えたり

誰かの発言が強くなっていないかな?って振り返ったり

スタッフで、「どうしたらいいかな?」ってよく話し合っています。

また、スタッフ自身が、色々な方々と出会うことで疲弊しないようにするにはどうしたらよいのか?と

考えていくことは私の課題のひとつになりました。

 

「安心できる居場所」と「多様な人が集う場所」の両立の難しさを感じつつも

だからこそ、やる意味があるのだとも思っていますが(^^)

 

③目に見えないものを評価しにくい

数値で見えるものは評価はしやすい。何人来たとか、何パーセントの方が・・・等

でも、「多様性を認め合う」「優しさの連鎖」とか「支え合い・助け合いができる」「共生社会」

カラフルのことを表現するときによく使う、これらの言葉って評価が難しいのです。

 

おく
個人的には数値化する必要はないと思っているよ。数値化できるほど人の心って簡単ではないと思うので。

 

でも、全国の一つの地域に1カ所こういった場所をつくるためには

制度の見直しや行政との連携が必要なわけで、数値として見えることで地域の居場所の大切さを伝えやすくなります。

県内・県外のかたが「こういう場所を私も地域でつくりたい」と想いを語ってくださった時に

おく
このデータをよかったら使ってください(どや、こう言えたらかっこいいやろ)

って言えるようになりたいのですが、まだまだそんなところには到達できていません(笑)

でもね、今の社会に絶対に必要な場所だと思うから、伝え方は考えていかなきゃいけない。

実験は終わらない・・・!!法人設立と今後について。

みんなのいえカラフルの運営をはじめてから、より一層私たちが行っている活動の社会的意義を強く感じ

どの地域にも必要だと感じるようになりました。

 

だからこそ、ボランティアだけでなくスタッフを雇用し持続可能な地域コミュニティのモデルになる必要があると考え、9月にNPO法人Teto Companyを設立。

現在は児童発達支援・放課後等デイサービス事業も開始するための準備中です。

社会的な実験をしているようなそんな気持ちにもなってきました(´・ω・`)

 

今後は、更なる多様な方との繋がりを生み出し交流する機会をつくるとともに、事業としても継続可能な状態にしていきます。

あらゆる地域に活動を発信していき他地域の方とも共に、

 

“ひとりぼっちをつくらない地域・社会”

の実現に向けて行動していこうと思います。

ご寄付やボランティアもお待ちしております~♡

寄付はコチラから

現場からは以上ですm(__)m(@Saba0m)

スポンサーリンク
スポンサーリンク
おく ゆいか。
介護福祉士→発達障害関係のNPO法人→特別支援学校教諭→退職して青年海外協力隊etc...
”みんな違ってみんないい” を実現する社会をつくるために、NPO法人TetoCompanyを設立し
大分県竹田市にて地域の交流拠点や福祉事業を運営。
小心者でおっちょこちょい。
LGBTサポートチームココカラ!共同代表。LGBT当事者として大分県内で講演活動等もしてます




記事がよかったらシェア!

コメントを残す