こんにちは。オクユイカです。
LGBT差別禁止法って知っていますか?
先日、高校の授業の一環で、LGBTについて調べ学習をしているグループとの交流会があった。
(私はカラフルから動けないので、カラフルに来ていただきました)

その時に事前に出た疑問点の中に
「LGBT差別禁止法に反対する人がいるのはなぜか?」
という質問があったのがこの記事を書くきっかけです。

と、思ってTwitterでアンケートをとってみました。
その前に、LGBT差別禁止法についてを書いておきます。
目次
LGBT差別禁止法とは
LGBT差別禁止法の整備を進めているのは、LGBT法連合会です。
LGBT法連合会は、性的指向および性自認等により困難を抱えている当事者等に対する法整備をすることを目的として2015年4月に設立された団体です。
5つのLGBT関連の団体が代表となり、約70の賛同団体がいます。
(私が共同代表をしているSOGIE(LGBT)サポートチームココカラ!も賛同団体として入ってる)
LGBT差別禁止法の考え方の一端について、LGBT法連合会が目指す「LGBT差別禁止法」とはに書かれていたので引用します。
① 防止
-全国すべての学校、職場、国、都道府県や市区町村、民間企業に性的指向や性自認に関する研修と相談窓口の設置を義務付けます(当事者のカミングアウトがなくても実施されます)-
学校のいじめや、職場での「ホモネタ」「レズネタ」「オトコオンナ気持ち悪い」などの差別的言動
あるいは転校強要や採用面接の拒否や解雇といった悲しい出来事をなくすために、全国の学校、国や自治体や民間企業が研修等を必ず行うようにします。
また、性的指向や性自認に関する「いじめは禁止」「ハラスメントはやってはいけない」と学校や企業、自治体に宣言してもらい、それぞれ相談窓口も設置してもらいます。
これらは「義務付け」ですので、全国津々浦々すべての、学校、職場、国や自治体、民間企業がやらなくてはならない、と法律で決めるべきだと考えています。
当事者が見えて(可視化されて)いない場合でも、学校や職場にカミングアウトしている人がいなくても、です。
いじめやハラスメント、転校強要や採用面接拒否や解雇といった、悲しい出来事は、
「当事者」がカミングアウトをせずとも、被害を被る前に、未然に一定程度なくすことができると考えています(同様の規定を持つ男女雇用機会均等法第11条等を参考にしています)。
②禁止
ー全国のすべての学校、職場、国、都道府県や市区町村、民間企業の性的指向や性自認に関する不利益な取扱い(差別)等を禁止しますー
研修を行ったとしても、悪意を持って差別的なことを行う、当事者に不利益なことをもたらす、というような人は、残念ながらまだまだ後を絶ちません。
私たちは、①の「防止」で防ぐことのできなかった差別的な取扱いは、法的に無効にすべきだと考えています。
差別的な不利益とは、例えば、企業や行政機関が性的指向や性自認に関することで、職場から解雇する、
学校からの転校を強要する、役所の窓口あるいは企業がサービス提供を拒否するなどです。
こうした「よほどの事態」に対して、泣き寝入りでなす術がないといったことがないよう、しっかりと差別を禁止すべきだと考えています
(同様の規定を持つ、男女雇用機会均等法や障害者差別解消法等を参考にしています)。
③合理的配慮
ー全国のすべての学校、職場、国、都道府県や市区町村、民間企業に性的指向や性自認に関する困りごとを話し合いで調整する義務を課します
お手洗いや更衣室等の利用に関して、すぐにすべての人が、本人の希望に沿う形で利用できるようになることは難しくとも
せめて企業や行政機関に 、困った時に話し合いに応じてもらい、周囲の人と調整をしてほしい、そんなニーズを満たすのが(ひとの)多様性へのこの合理的配慮です。
また、とかくロールモデルが欠如しがちないわゆる「LGBT」等に対して、ロールモデルに関する配慮をすることも含まれています。
(同様の規定を持つ障害者差別解消法等を参考にしています。ロールモデルは「自分にとって行動のお手本となる人物」で、今、国の女性活躍などでも盛んに言われています)。
④支援と相談窓口
ー全国の都道府県や市区町村に、性的指向や性自認に関する困りごとの相談窓口や居場所を設置ー
これはもう、読んで字のごとくですが、全国でさまざまなサークルや団体が行っている事を、全国の自治体、行政も行う、ないし支援してくださいね、という内容です。
悩みや、悲惨な出来事、自死を防ぐ意味でも相談先と居場所の確保は重要です。
また、家族など当事者の周囲の人の相談にも対応すべきであると考えています。

LGBT差別禁止法「困っている人がいるなら必要」が44%
Twitterでのアンケート結果がこちら!
質問!
セクシュアルマイノリティ側だと自覚されている方におうかがいしたいです。「LGBT差別禁止法」は必要?いらない?
— オクユイカ@みんなのいえカラフル (@Saba0m) 2018年11月21日
「困っているひとがいるなら必要」が44%。
「欲しい」が18%で、「いらない」が30% でした。
実は・・・・私は「いらない」もしくは「困っているひとがいるなら必要」という意見です。
わざわざ「LGBT差別禁止法」のような法律を作る必要があるのか。
EU加盟国すべて。そしてオーストラリアやアメリカなどの先進国には、既にLGBTの差別を禁止する法律があります。
日本では無いのですが、東京都議会が2018年10月5日、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け
LGBTなどセクシュアル(性的)マイノリティへの差別禁止を盛り込んだ人権尊重条例案を可決、成立させました。

という気持ちがあったんだけど、あることに気が付いてからは少し気持ちが変わりました。
それは・・・
行政や教育機関への働きかけの際には「法律」が強い ということ。
- 行政は法律に従って仕事をしているから、法律で定められていない人のことをする義務はないと発言する行政マン
- 自分の考えで「LGBTは少子化を進める」と生徒の前で発言する教員
一部だけど、そんな方がいる事実がある。
行政の現場にだって、生徒にだってセクシュアルマイノリティ側は必ずいるのにも関わらずいない前提で発言をする人がいます。
結果、そこにいる当事者は傷つく。
これまで ”仕方のないこと” だと身を縮こませて一人で暗い気持ちになっていた今までとは違い、
法律があれば堂々と「それは偏見です!法律にもあるでしょ」と伝えることができるようになります。
とはいえ!!!
「禁止」したとこで根本的な解決にはならないので、その上で研修などをすることが大切ですが。
LGBTについてではなく「セクシュアリティの多様性」についての学習ね。
LGBT差別禁止法のデメリット。
世の中に必要な法律だと思ってはいるものの、私が「いらない」もしくは「困っている人がいるなら必要」 という考えなのは
LGBT差別禁止法 という名前が気になるから。
「差別禁止」という言葉を使うことで
LGBT(性的少数者)とそうでない人を二分割してしまうのではないかと思います。
壁を作ってしまう可能性もあるということ。
それともう一つ。
世の中には、自分の存在意義を見つけるために他者を見下す者がいます。
そんな方たちが内容を知らずに「LGBT差別禁止法ができました」という部分だけ知って
LGBT=差別を受ける存在なのだ
というような感情が生まれ、弱者・強者 の図式が生まれないかも心配なのです。
人間の心理って複雑だもん。
見下すような人たちは、細かい内容なんて見ません。
だから、内容は同じであっても一番表にでる名前は考慮すべきだと思うな。
差別禁止法というワードを使うのであれば
LGBTではなくSOGI差別禁止法 であれば、なんとなく腑に落ちるかなぁ・・・。
とにかく、「LGBTは別の生き物」のように捉えられてしまわないような方向に進んでいくことを願います。
以上!オクユイカ(@Saba0m)でした。