こんにちは。オクユイカ(@Saba0m)です。
先日、「カランコエの花」を見ました。
これ、劇場ではなくても自治体や学校などでも上映ができるとのこと!
大分でも流せたらいいなぁ・・・。
私には同性の恋人がいる、いわゆるレズビアンなのですが
LGBT関連の映画を見る時って、当事者の1人として少しビクビクするんですよね。
変な風に描かれてないかなー?って。
「カランコエの花」は39分の短編映画なのですが様々な問題提起をばらまいて
え・・・・・ここで終わるんかい!!!
という映画だったのですが、あえて答えを出さないようにしているようで・・・・。
色々と考えさせられる映画でした。
今田美桜主演の「カランコエの花」について
今田美桜さんは、福岡一の美少女として注目されている女優さん。
高校生を演じていたので、映画の中ではほぼスッピン?写真と違って素朴な印象をうけました。
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「カランコエの花」は2018年7月14日より新宿の’s cinemaにて1週間限定で上映され
レインボー・リール東京グランプリ(東京国際レズビアン&ゲイ映画祭)のグランプリを受賞。
その他にも数々の賞を受賞し話題になりました。
現在、一部の劇場で公開されています。
【受賞歴】
- 第26回レインボー・リール東京 グランプリ
- 京都国際映画祭2017 クリエイターズ・ファクトリー グランプリ
- 第4回新人監督映画祭 コンペティション・中編部門 グランプリ
- 横浜IFF2017 中編部門最優秀賞・ジャック&ベティ賞
- 第51回TOKYO月イチ映画祭 グランプリ
- 第16回中之島映画祭 グランプリ
- 第9回下北沢映画祭 観客賞・日本映画専門チャンネル賞
- うえだ城下町映画祭第15回自主制作映画コンテスト 実行委員会特別賞
- はままつ映画祭2017 観客賞 ・福岡インディペンデント映画祭2018 俳優賞(今田美桜)
- レインボー賞 ・第18回TAMA NEW WAVE コンペティション部門 ノミネート
- 日本芸術センター第9回映像グランプリ 最終ノミネート
出演: 今田美桜/石本径代/永瀬千裕/笠松将/須藤誠/有佐/堀春菜/手島実優/山上綾加/古山憲正/イワゴウサトシ
監督: 脚本 編集:中川駿
カランコエの花のあらすじ
ある高校2年生のクラスの自習の時間。ある日唐突に『LGBTについて』の授業が保健室の先生から行われました。
しかし、LGBTについての授業があったのはそのクラスだけ・・。
他のクラスでは実施されなかったことで
「うちのクラスに LGBTの人がいるんじゃないの?」
と生徒の間に疑問が走ります。
LGBTの人を探そうとする生徒。そんなのやめなよと止める生徒。
そして最後は・・・・?
生徒たちの心情を映した映画です。
以下の項目はネタバレがあるので知りたくない方は見ないようにお願いしますm(__)m
「カランコエの花」の内容※ネタバレあり
生徒が「うちのクラスに LGBTの人がいるんじゃないの?」と疑い始めた通り、
このクラスにはレズビアンの生徒がいました。
その生徒が保健室の先生に恋の相談をした経緯があり、良かれと思って保健室の先生が授業をしたんですよね。
黒板に大きく「LGBT」と描きながら。
そこから始まる、「LGBTの人探し」。犯人を探すように面白がる男子生徒。
ある日、主人公はクラスメイトから
「私、誰がLGBTか知ってる・・・」と話をされます。
そのクラスメイトは保健室でレズビアンの生徒が先生に相談しているのをたまたま聞いてしまい、1人で抱え込み悩んでいました。
それを抱え込み切れずに話してしまったことで、誰がレズビアンであるかを知った主人公。
レズビアンである生徒は、主人公と仲の良いグループの中の1人でした。
そのことを知ってしまった主人公は、その友だちと最初は微妙な距離をとりつつもこれまで通りに接するようにしていたのですが・・・・
クラスでの「LGBTの人」探しは続き
ある日の朝、黒板にレズビアンの生徒の名前が大きく描かれます。
”○○○○はレズビアン”
と書かれた黒板に
ざわつく教室。
”○○はレズビアンじゃないよ・・・!” と、友だちを守るために、黒板の名前を消す主人公。
教室から逃げるように去るレズビアンの生徒を追いかけると
その生徒は
「自分で書いた」
「なんで庇うの?!」
と・・・。
最後のシーンでは、レズビアンの生徒が保健室の先生に相談している場面が映し出されます。
そこに映し出されたのは、レズビアンであることを深刻に悩む生徒の姿ではなく
恋をする気持ちや、相手の笑顔が大好きだということ、相手が同性だから伝えたら困るかな?
そんな話を嬉しそうに話す生徒の姿でした。。。。
カランコエの花の感想
39分の短編映画。
「あなたならどうする?」
「なぜこうなった?」
「なにが正しかったのか?」
そんな問題提議を多くされたように感じます。
そして、その答えはありません。
当事者の1人として印象深かった場面がふたつ。
一つは保健室の先生が、そのクラスだけLGBTの授業をしたということ。
そのクラスだけということも歯痒かったし、LGBTの授業なんていらない・・・って思った。
学校にいると「少数」であることに敏感なお子さんがほとんど。
最初から「LGBT」について授業してしまうと、特別なものとして捉えられてしまったり、“少数”であることに暗い気持ちになる子もいる
「セクシュアリティは一人一人異なる。その多様性の中にあなたもいる」という視点を持つことが大前提
— オクユイカ/地域“福祉”協力隊 (@Saba0m) 2018年8月2日
でも、まあ映画の中話だからね。
実際にないといいなぁと願う。
もう一つ。
主人公と、レズビアンの生徒が二人乗りをして帰る場面があってね、その時に主人公の背中に顔をもたれかけてそのあと抱きつくシーンがあった。
それを見た時に私はちょっと、冷や汗をかくような感覚が自分の中にあってさ
”そんなことしたら、気持ち悪いって思われるかもしれないからやめて”
って怖くなっていた自分に気が付いた。
主人公がどう思っているか?その後に傷つく発言が出てこないかを怖れていたんだと思う。
私の初恋の人は同じグループにいた親友だった。だけど立ち位置的には一番似ているのにもかかわらず、レズビアンの生徒に感情移入することは無かった。
その生徒が最後に自分で黒板に名前を書いて”レズビアン”ってカミングアウトした理由も理解できなくて
後でほかの人の感想を聞いて”そういうことかぁ〜”って納得したくらい。
何故だろう?って振り返って思うけれど
私自身が当時の自分を「恥ずかしい」って思っていたからだし、そんな姿がそのまま映し出されていたから、拒否をしながら見ていたんだと思います。
人を好きになる嬉しい気持ち。
好きな人の笑顔を見たい。
大切な人を守りたい。
それが、たまたま同性だっただけ・・・。
1人の生徒のピュアな想いが、クラスを騒がせる「事件」になる映画でした。
クラスで探されていた「LGBTの人」なんていない。ただ1人の純粋な恋心があっただけのはずなのにね。
セクシュアルマイノリティの友だち3人で見たんだけど
それぞれ感想や誰に感情移入したのか、どう捉えたのかが違って、感想をシェアするだけでも面白かった!!
その他:映画をみた方の感想
hilmarksの映画情報に上映を見た方の感想もかかれていたので一部引用させていただきますm(__)m。
※上映後の監督の試写会の話も踏まえた上での感想
LGBT当事者の方の中には、
この映画を良く思わない人もいるのだろうなと感じた。初めのはなちゃんのLGBTの授業のシーンとか、多分印象悪い人もいる。
しかし、中川監督が仰っていたが、
この映画は、当事者の人にインタビューを一切せず、ストレートの人間が作った映画なんだってことと、その結果この映画になったっていう事実が大切なんだと思う。ストレートから見たLGBTってこうなんですよ、それが問題だよねって1人でも多くの人に伝わればそれでいいのだと思った。
もしかしたら余計なお世話と思う方もいるかもしれないが、それは人それぞれの感じ方で良いと思います。
みんな言ってるけど、エンドロール、とても良かったです。
アップリンクでしかやってなかったけど、見に行ってよかった。
レズビアンの彼女の生き方をそれぞれで想像できるのがまた良い。
LGBTについて「あなたならどうした」とダイレクトに心に問いを突き刺してくる
ふいに自分たちの周りの出来事になった時、よく分からないままに答えを出して、よく分からないまま間違える切なさが染み入る
それぞれの登場人物に当てられた対処、言動や心の動きの表現も秀逸でした
ただただ観てほしい。
赤がとっても印象的で綺麗だった。
私がその場にいたら抱きしめていただろう。
今でこそ浸透してきたLGBTだけど本作は学校で流したり、先生が観て、もっともっと広めてほしいです。
短いながらにも構成がしっかりしていたのでとても良かった。オススメです!
40分ほどの映画なのに余白がところどころ入っていて
その余白がみてる側に考える時間や登場人物たちの気持ちの変化が見え隠れして、ざわざわする。普通ってなんだろ
自分の学生時代を思い出して、なんかすごく胸がチクチクした。
自分の人生と近いものがある訳でもないのにずっしり残留感がすごい映画でした
エンドロールの使い方は今まで出会った映画のなかでも一番 40分っていう短い中でここまで密度があるのがすごい
見終わってみてキャッチコピーの意味の深さがしみる
引用:https://filmarks.com/movies/75703
終わりに
カランコエの花言葉は、
「あなたを守る」
なのだそう。
保健室の先生も、その生徒を「守る」ために動き、主人公が黒板の文字を消したのも、その生徒を「守る」ため。
”あなたを守る” っていったいどういうことなんだろうね。
この映画、劇場だけでなく学校・企業・自治外等の劇場ではない場所での上映も行っているとのこと。
時間も丁度良いので、大分でも上映ができたらなぁと思います。
以上、オクユイカ(@Saba0m)でした!
【その他LGBTに関する映画・ドラマのレビュー】
・生田斗真が主演→「彼らが本気で編むときは」のあらすじと感想。生田斗真がトランスジェンダー役に挑戦。
・やたら濡れ場シーンが多かった映画→「アンダー・ハー・マウス」あらすじと感想。好き・嫌いがはっきりしそうな映画。
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