レズビアンをオープンにして田舎で生きてみて1年。嬉しいことが多かった。

こんにちは。オクユイカ(@Saba0m)です。

早いもので、2017年10月に竹田市地域おこし協力隊として大分県竹田市に移住して、1年になる。

 

うぇええええ・・・・早い・・・早すぎる・・・。

 

 

まだ、夏が終わったことを信じたくなくって、半袖半ズボンを着てパソコンを打っているけれど、寒いね。笑

 

竹田に移住して1年。レズビアンだということは隠さずに過ごしてきた。

でも個人的にカミングアウトしたことは一度もない。

 

私の場合は、LGBTに関する活動をしていることもあり新聞やテレビで取り上げられたことによって

自然と知られる状況になっていて・・・

その中で生活してみて感じたことを書いてみたいと思う。

レズビアンだということは隠して生きていくものだと思ってた。

人に話すのには躊躇するもの。

仲の良い人に話せればそれでいい。

のスタンスだったけれど、竹田に移住して働く直前にまた新聞に載ることがあった。

偶然だけど1年前の今日。

私が着任した数日後に知ったのですが、それが所属先で回覧されてたようです。

まさかの(笑)

隠すとかそういうことを考えるより前に、既に「知られていた」という初めての経験をしました。

 

それから、複数人でご飯を食べている時のこと。

初対面の人が「彼氏いるんですか?」と聞いてくると

おく
彼氏というかなんというか・・・うん、まぁ。

と、あやふやに返したとしても

「おくちゃん、彼女がいるんだよ」

と、他の人に言われることが多々ある。

そんなアウティング祭りが結構起きるのだけれど、その人に悪気は全くないから構わない。

 

今、自分がLGBTに関する活動をしている以上、それは仕方が無いと割り切っているもけど

アウティングのその瞬間って言うのはやっぱり冷や汗もので

 

何回、同じような場面にでくわしても

 

”こわい、こわい、こわい”

 

って相手の反応を身構えてしまう自分もいる。

 

「へぇ~!」

「いいと思う」

「私、そ、そ、そういうの大丈夫」←戸惑いながらの返し

 

そんな反応が返ってくると

 

”・・・拒絶されなくてよかった・・・・。でも相手をびっくりさせちゃって申し訳ないな・・・”

 

その時はそう思う。

 

だけどね、その後がものすごく楽なことが判明!!

 

次に会う時は「同性の恋人がいる人」になってるから気が楽で仕方ない。

恋愛話を振られて嘘をつく必要もごまかす必要もない。

 

一枚薄い壁を置いて警戒しながら相手と接すること・隠さなきゃ って思うことが無い

ってことがこんなに楽だなんて知らなかった!!

”この人は知っている” ”この人は知らない” って気を遣いながら人の輪の中にいることが

こんなにも心の負担になっていたことを知らなかった!!

 

1年の間に嬉しいことがたくさんあった。

家のすぐ近くに、リカドというイタリアンのお店があって

竹田出身でUターンで帰ってきた竹田をものすっごく愛しているオーナーは地域おこし協力隊の兄のような存在です。

その人がね

 

「オクちゃんが来てくれて本当によかったよ。この町、いろんな人がいるからさ。

渋谷区とかそんな場所よりも多様性ある場所になってくと、僕は思う」

と少し酔いながら話してくれたことがあった。

 

私は

”自分が同性が好きだということで、他者に不快感を与えていないか?”

を気にすることがあるので、有り難い言葉だった。

 

私がこんなに喜んでいることを、リカドの兄さんはきっと知らないと思いますが。

 

 

私が同性が好きなことを周囲の方が知ってくださっているので、恋人が竹田に遊びにきた時には

「パートナーです」と紹介をしています。

 

恋人は「いつもお世話になってます」と返す。

そんな自然なやりとりが嬉しい。

 

私がいないところで、恋人と上司が私の話をしてることもあって

上司「いつもお昼ご飯食べないのよ~!」

恋人「そうなんですよ~、あんまり食にこだわりがないみたいで」

そんなやりとりをしていたり

職場にいる時も「恋人がまた心配するから、食べなさい!」と、お菓子をくださったり。

 

家に帰ってからその場面を何度も振り返ってあったかい気持ちになる。

 

やっぱり、大切な人のことを知ってもらえているだけで嬉しい。

 

 

まだまだ、嬉しいことはあった。

年末に、関西から引っ越して一緒に住む予定になったことを市役所にお伝えしたときのこと。

 

「今の部屋(アパート)だとちょっと狭いから一軒家かなぁ〜。一軒家あいてるかな?」

と、一緒に住むための家の相談に乗ってくださった。※地域おこし協力隊の制度で、住居費は無料で事前に伝えたら引っ越しも可能。

 

これって、昔の自分だったら言えなかった!!

 

「恋人」と伝えていろいろ質問されても困るし、「友だち」と一緒に住むだなんて言えずに、こっそり狭くても我慢して住んでと思うし

そして、それが当然だと思ってたんじゃないかな。

 

 

結婚制度は使えないけれど、私にとって、恋人のミカンちゃんは家族です。

 

だからね、「パートナーと住む」と言えたことも

ミカンちゃんの仕事のことを考えてくださったことも

さらっと話せる環境になっていたことは嬉しかった。

 

家に帰ってすぐに、パートナーに電話するくらいうれしかった!

 

 

私は今、竹田で”そのままの自分”で生きることができていて、とても幸せなことだと思う。

私がレズビアンであることなんて理解されなくてもいいんですよね。

 

だけど、一人の人間として感情があって大切にしたい恋人がいて、竹田でやりたいことがあって・・・

そういう人間であるということを理解されたような気がして、それが嬉しいんだと思います。

 

こんなに喜んでいることを感情のままに伝えると引かれてしまうので言えないけれど

 

ものすっごく嬉しいし、感謝してます。

 

悲しいことも少しあった。

そんな嬉しいことから比べたら、屁でもないんですけどね

こういう活動している以上、セクシュアルマイノリティの方に対する誤解が含まれた発言を耳にします。

・少子化に繋がるのではないのか?

・小さい時に、きちんとした知識(同性愛はおかしい等)を教えれば治るんじゃないのか?

講演などでこういった質問を受ける時には丁寧にこたえてきたつもりだし

”受け入れられない”という人がいたとしても、私はそれはそれでいいと思っています。

 

そんなことでは悲しくならないんだけど、

 

ネット上では、どこの誰かもあかさない人が好き放題言っているのを見ると

 

”人間って、自分の存在を隠しながらだと、こんなにもひどいことが言えるのか”

 

っていう、そんな思いやりのない発言に対しての悲しさが多少あった。

今では人間って面白い生き物だなって思って客観的に見ている自分がいるが(笑)

 

 

SNSにはSNS上のコミュニケーションの仕方があるような気がするし、何かを言われても”慣れ”によって傷つかないようになるのだと実感した。

(それでも、平気で相手を嘲笑うよな発言や、攻撃的な態度をする方を時々見かけると気分がよくないし嫌い)

 

 

現実世界でも、ネットで見かけるようなLGBTに対する否定的な意見を持つ人もきっといるんだろうけど、直接言われない限りは

私は私のままで堂々と笑っていたいと思うし

 

そのままの私でいても一緒に過ごしてくれている周囲の方々がいたらそれで幸せです。

 

そんな人たちがすっごく増えた1年だった!!!

これからのこと

年末に恋人のミカンちゃんが大分に引っ越すことが決定!

ミカンちゃんは周囲にカミングアウトしていないけど、私と一緒に住むということは”そうみられる”ということ。

それを心配していたんだけど・・・・

 

ミカン
あえて自分から言わへんけど、聞かれたら「パートナーです」って答えるよ

うじうじする私をよそにスッキリとしているミカンちゃん。

 

とは言え、私が活動をすることには賛成していないし、何かあったらどうするん?という心配する想いも持っているようです。

 

そして、今、竹田でみんなのいえ「カラフル」という居場所づくりをしている。

その場所が「LGBTの人の場所」だと思われないか?と心配をする仲間もいます。

 

そうだよね・・・まだまだそれが日本の現状。

日本の特に田舎の現状だよなぁ・・・と思って、活動を控えようという気持ちにもなったし

ずっと住んでいきたい場所だからこそ、竹田での講師依頼は断ろうとも思った。

 

 

だけど、そう思うのは辞めました。

 

9月の最初に実施した、大分県のセクシュアルマイノリティの方に対するアンケート調査でいただいた

150件の回答を読んでいると、自分が無理しない範囲でやっぱりやらなきゃ!って思ったから。

おかしくないですか?色々なセクシュアリティの方がいて当然だし、だからといって引け目を感じたり生きづらさを感じたり悩みを抱えているのって、おかしい!!

少しずつしかできないけど、少しずつでもやっていこうと思います。

 

それに、田舎で話すのはやっぱり怖いけど、乗り越えたら何か見える気がしてきます。

 

 

ただ、優先順位としては「カラフル」の方が上!

みんなのいえ「カラフル」は、色々な方に来てもらいたい場所。

いろいろな人がいる中に、セクシュアルマイノリティの方がいたり

観光客がいたり、地域の方がいたり、高齢者がいたり障害のあるかたがいたり、子どもがいたり・・・・

それが理想だし自然だと思うから。

 

いろいろなひとがいて、それでいいよね。

早く、そんな社会になったらいいな。

 

最後に。

  • 「あの時、こんな風に思っていたんだなぁ~」っていう自分の備忘録として
  • ”地方はセクシュアルマイノリティの人は生きづらい”を変えていく過程として
  • いち当事者の体験談だけどどこかのだれかの参考になれば嬉しいな・・・

そんな気持ちで文章を打ってみました。

決してカミングアウトを進めたいわけでもなく、ただの一当事者の体験談です!!

 

 

人に話すのには躊躇するもの。

仲の良い人に話せればそれでいい。

のスタンスは今も変わらないけれど、周囲の方が知っているという安心感はとてつもなく大きかったよ!!!!!

以上、オクユイカ(@Saba0m)でした!

 

 

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おく ゆいか。
介護福祉士→発達障害関係のNPO法人→特別支援学校教諭→退職して青年海外協力隊etc...
”みんな違ってみんないい” を実現する社会をつくるために、NPO法人TetoCompanyを設立し
大分県竹田市にて地域の交流拠点や福祉事業を運営。
小心者でおっちょこちょい。
LGBTサポートチームココカラ!共同代表。LGBT当事者として大分県内で講演活動等もしてます




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