こんにちは。オクユイカです。
先日、富山で用事があったので、ついでに『シェア金沢』を見学してきました。
シェア金沢・・・ご存知の方も多いのではないでしょうか。
2016年4月に改正された国の地域再生法のモデルにもなっていて、全国から年間600以上の視察団が訪れており
安倍首相も視察に訪れたこともある地域コミュニティの場として注目されている場所。
「カンブリア宮殿」でも取り上げられていたそうです。(大分県は放送がない・・・)
私がしたいこととすごーーーく似ていることを既に実践しているんです。
ではでは、シェア金沢のことについて書こうと思います。
目次
色々な人が入り混じる地域コミュニティを再生『シェア金沢』
2014年に街開きが行われた「シェア金沢」。記念式典の中で佛子園の理事長である雄谷良成さんがスピーチされた内容を一部引用します。
私たちの法人は創立54年目を迎えました。
今から9年前のことですが、このお隣の白山市で知的障害の方々のグループホームを建てようとしたときに、なかなかご理解いただけなかったことがあります。
障害があるために住む地域が限定されてしまう。なぜこういうことになってしまったのか。
我々は半世紀以上も白山市に本部を構えながらやってきて、理解されないということはどういうことなんだろうか。
悩み、考えた末に、施設を変えるのではなく地域を変える、障害のある人たちを理解してほしいということではなくて、隣に住む一人の住人として理解していただく、そういう方向性に変えていかなくてはいけないのではないかということを、深く、深く感じました。
その9年前から地域に対して私たちがどういったことができるのかということを考えてまいりました。もがけばもがくほどわからなくなるようなことがいっぱいありました。
ただ、最近少し気がついてきたことがあります。
医療にしても福祉にしても安心を感じるためには不可欠なものです。
しかし、人間の生活というのは、どうも医療や福祉だけではない、いろんなことから成り立っている。そんなことに少しずつ気がついてまいりました。 引用:雄谷良成さんがスピーチ
そんな想いでつくられたシェア金沢。
小さな町の中に子ども・障がい者・高齢者・地域の方が集まる仕組みを。
さすが、金沢。雪が降ってたよ~!!写真を撮影するのにはあいにくの天気でした。
広い敷地の中に、シェアハウス、温泉やレストラン、バー、放課後等デイサービス、ガイヤ自然学校(放課後クラブ)、産前産後ケア施設、ドックラン、農園などが入っています。
また、サービス付き高齢者向け住宅、障がいのある方の入所施設もあります。
入口を入ってすぐ左にあるのが、SOUTH地区。
まずは、SOUTH地区に入ってみることに・・・。
SOUTH地区には、温泉施設と食事処、ソファーやテーブル、野菜販売所、高齢者デイサービスが入ってます。
街が眺められるエントランスのソファー。
地域でとれた野菜などの販売。奥には地域の掲示板がありイベント情報などが貼りだされていました。
ところで、この札なんだとおもいますか?
これは地域に住む方の名前の札。
田上二丁目の方は温泉が無料で入れちゃうんです。
地域の方が、自然と入れるコミュニティーになっていました。
食事処もあるしくつろぐことができるスペースもあるから私が田上2丁目に住んでいたらついつい長居しちゃいそう。WIFIもあるし!笑
マッサージ機に寝転がっている高齢の方や勉強をしている学生の方もいましたよ。
温泉の前の通路をさらに進むと・・・
左側に見えるのは高齢者デイサービス。(利用されている方がいるので中は撮影していませんが)
デイサービスの入り口は別なのですが、温泉などと繋がっています。ガラスの扉になっているので閉ざされた感がゼロ!!
閉鎖的なイメージは全く感じませんでした。
食事処では就労支援もしており障がいのある方も働いているとのこと。
唐揚げ丼を食べてゆったり過ごした後、SOUTH地区の外に出てシェア金沢をまわりました。
コインランドリーや環境整備に携わる方も就労支援事業の障がいのある方なのだそう。
こちらは放課後等デイサービス(障がいのあるお子さんが放課後や休日に行ける場所)
ガイヤ自然学校もシェア金沢のコミュニティの中にありました!
自然学校だけで成り立つのかな?と思っていたら、放課後クラブとしても活動しているとのこと。
寒かったので、若松共同売店と言うところに入った。
1杯100円のコーヒーを注文。ここでは日用品や駄菓子が売っていてシェア金沢に住む高齢者が出資して運営しているんだって!
週に1回は放課後児童クラブの子どもたちが駄菓子を買いに来るのだそう。
ここで働く田代さん(仮名)にシェア金沢のことを色々教えてもらいました。
田代さんはシェア金沢の中にあるシェアハウスに住んでいる。70代~の方3名が同居者とのこと。
ん・・・・あれ?田代さんの口調・・・懐かしい感じがするけど・・・もしや?!
まさか、こんなところで地元ネタを話せるとは・・。世間は狭いなと感じた瞬間だった。笑
助け合い・支え合いながら生活するということ
ボランティア募集のチラシも色々なところに貼ってありました。
ここに住む大学生は月30時間のボランティアをすることを条件に、良心的な家賃でシェア金沢内にすむことができるんです。
シェア金沢には運動ができるスタジオもキッチンスタジオもあるので、放課後等デイサービスも幅広い活動ができそうですね。
トイレに入ると、トイレットペーパーの芯の回収ボックスが!子どもの工作によく使うトイレットペーパーの芯。笑
地域の方にこうやって呼びかけられるっていいなぁ~。地域の方も放課後等デイサービスで何をやっているのかを知るきっかけになったりね。
その他にもライブ等ができるバーや、マッサージ店、農場、ウクレレ教室、アルパカ牧場などもありました。
晴れている日は、シェア金沢内でアルパカを散歩させているそう。
障がいのある方がアルパカを散歩させ、子どもたちがアルパカに会いに来る・・・そんな自然な光景の中で、障がいのあるかたと地域の方が自然と交流している・・・素敵!
人と人が交流するための仕組みが色々なところにあっておもしろかったです。
実は、「目立つ=素晴らしい というのは違う。」というのを色々なところを見て感じたり、きっと莫大な費用がかかっているからお金がないとできないし~
って、思っていたので、シェア金沢を見にいくことはないだろうと思ってました。
新しい街を作っちゃうんじゃなくて、今あるところを同じようにしていけばいい。 というのが自分の答えだったから。
でもね、実際に、シェア金沢を見に行ってその良さを肌で感じることができてよかった。
ひねくれた考えから一歩でてよかったです(笑)
シェア金沢のメリット・デメリット
まとめも兼ねて、シェア金沢のメリット・デメリットについて考えたいと思う。
シェア金沢のメリット
私がしていきたいことは「差別・偏見をなくす」ということ。
そんな簡単になくなるものではないとは知っているし、むしろ、差別・偏見って起こるものだと思っています。
だけど、お互いを知ることで何かがかわるかもしれない・・と思う。そのための場作りをしていきたいんです。
少なくとも、ここに住む住民の中には障がいのある方に対する差別はないと思う。
障がいのあるお子さんや大学生、高齢者・・・地域の方が同じコミュニティの中で関わりあうことができる仕組みは大変勉強になりました。
疎外されがちな独身高齢者、障がいのある方々も世の中には多くいますが、「人とのかかわりの中で生きる」ってやっぱり幸せなことだと思うんです。
シェア金沢のデメリット
若松共同売店で働かれていた田代さんが、
「現時点で要介護になった場合にシェア金沢に住み続けられるようになっていないことがデメリット」だとおっしゃっていました。
介護が必要になったら、地域で住むことができないとなるとやはり寂しい・・。
また、億単位の莫大な費用がかかることはやっぱりデメリット。
おわりに。
見学を終えて感じたのは、「素敵だなぁ」と思いつつも、
「シェア金沢は億単位の莫大なお金が必要。やっぱり既存のコミュニティを再生する方がいいのではないか」という気持ちは変わりませんでした。
ただ、大きい事をしないと世の中では目立ちません。目立たなければ私がシェア金沢に足を運ぶこともなかったし・・・。
そう考えるとシェア金沢はシェア金沢の役割を果たしているのかもしれませんね♪
そんなことを想いながら、次に、シェア金沢から車で30分ほどの「行善寺」に向かった。
シェア金沢を運営している社会福祉法人 佛子園は他にも多くの事業をされているのですが、そのうちの1つが「行善寺」。
個人的にはシェア金沢よりも行善寺の方が魅力的にみえました。
地域に根付いている印象がしたのと、モデルにしやすいと感じたから!!!
長くなったので次の記事で、『行善寺」について書きます。
ではでは!!
シェア金沢のアクセスや見学について
【住所】〒920-1165 石川県金沢市若松町セ 石川県金沢市若松町セ104−1
【見学について】
シェア金沢のホームページの問い合わせから見学について質問してみるとよいかと思います。
基本的には自由見学になると思います。ただ歩くだけでなくシェア金沢の中にいるかたに声をかけてみるとよいかも!