こんにちは!
共生のまちづくりを目指して地域コミュニティ「みんなのいえカラフル」を運営しているオクユイカ(@okuyuika)です。
これまで「共生型」と呼ばれる複数の施設見学にお伺いしたり調べたりしてきました。
・【共生型デイサービス】赤ちゃんから高齢者まで一緒のメリットとデメリット
・地域コミュニティを再生『行善寺』の魅力。【シェア金沢より良い?】
・『シェア金沢』世代も障がいの有無も超えた、ごちゃまぜコミュニティに見学に行った。
みんなのいえカラフルのオープンから半年。
まさに年齢や性別・障害の有無や立場に関わらず観光客までが地域で出会い交流が生まれる場所になり
自分の理想に少しだけ近づく場所になってきたかな・・・というところ。
”地域にとって” ”社会にとって” 必要な場所だということを強く実感するようになりました。
だからこそ、今のみんなのいえカラフルの課題は、活動を継続させること。
そのために、私自身が事業立ち上げ&経営について学ぶことだと思っています。
今回は、そんな私にぴったりの施設に見学に行ってまいりました!
宮城県石巻市にある「愛さんさんビレッジ」です。
共生型複合施設「愛さんさんビレッジ」とは。
代表の小尾勝吉さんはもともと関東の方なのですが
東日本大震災後をきっかけに月に1度震災ボランティアを行うようになり
その後、2013年に石巻市に移住し起業。
一番最初は、宅食サービスをはじめられたのだそう。
今回見学させていただいたのが、2017年2月にオープンした「愛さんさんビレッジ」
高齢者の有料老人ホームやデイサービスと障害のある方の就労移行支援事業を一つ屋根の下で行っている
共生型複合施設です。
これまで福祉分野は「高齢福祉」「障害福祉」とわけられており、同じ事業所でサービスを受けることができなかったのが
2018年より「共生型サービス」がはじまり、「介護」と「障害福祉」の両方のサービスが同じ事業所で提供できるようになりました。
しかし「介護」と「障害福祉」のすべてのサービスが同じ事業所で提供できるわけではなく
愛さんさんビレッジのような、就労移行支援事業と有料老人ホームは「共生型サービス」の対象にはなっていないため
県の許認可を取るのもハードだったようです。
就労移行支援事業と有料老人ホームが同じ場所で行われている施設は初めてでした!
共生型複合施設「愛さんさんビレッジ」を見学。
宮城県仙台市から車で約1時間。石巻市にある愛さんさんビレッジに到着。
…今回は友人と車で行ったのですが、突然の見学依頼にも関わらず
「駅までのお迎えは大丈夫ですか?」と、お気遣いいただき、感動しました(;_:)
玄関に向かうと、こんなボードでお出迎えしてくださいました。うれし〜〜〜!!
愛さんさんビレッジでは、「リハビリ特化型デイサービス」も運営しており、全身運動をできるような医療機器を導入しています。
介護度が高い方でも歩行ができる医療機器などが並んでおり、お伺いした時も医療機器を使ってリハビリをされている高齢者の方がいました。
とおっしゃっていました。
浴室に向かうと、物品補充をされているグループが・・・・
この方々が、福祉人材養成学院(就労移行支援)の障がいのある方々。
ここでは「クルー」と呼ばれていました。
介護だけでなく福祉の現場って、対人関係の課題が集中するところでもあると思います。
対して、障碍者手帳を持つ方の中で対人関係がうまくいかない方も多いので
その点に関して質問をさせていただきました。
福祉人材養成学院でも、実際に人と人とがぶつかることもあるそうなのですが、その都度、その都度対応しているとのこと。
※有料老人ホームに入居されている方は、障害のある方が働いていることに予め同意の上入居されています。
また、スタッフの方が明るい方だからなのか、クルーの皆さまが仲良く楽しそうに働いていたことが印象的でした。
学院の教室に行くと、それぞれが作成したドリームマップが。(これは見本)
また、教室に何冊も置かれていた本がこちら。
愛さんさんグループが目指す方向性や、心の持ち方などなど・・・・。
この一冊を創るだけでもかなり時間が必要なはず。
「人材育成」が未来に繋がる。
これまで、福祉関係の施設などを見学するときは、一支援者の立場としてでしたが
今回は運営する側・経営をする側としての訪問。
私自身の視点が全く違ったこともありものすごく新鮮でした!
気になっていることの質問にも答えていただきました。
スタッフが一気に辞めた時期もあり何年も悩んだ時期もありましたが、ようやく少し見えてきたように思います。
”人材育成の方法”みたいな施策は全部やってみた方がよいと思いますが
そのコミットする姿勢から施策が生きてくる・命が吹き込まれてくると思います。
その言葉の通り、職員の研修にもかなり力を入れており私が訪問した当日も
幹部の5名は東京研修で不在でした。
この研修は福祉関係の研修ではなく、「幹部」のためだけの幹部研修なのだそう。
面接に訪れた方などにも、研修や自己研鑽が「愛さんさんビレッジ」にとってなぜ大切なのかを理念などをお伝えしながらお話しすることのこと。
それでも働きたい!と思う方のみを雇用されているそうです。
愛さんさんグループのビジョンは
- 働く仲間:働く仲間の物心共に豊かな人生の実現
- 対お客様:充実した「やすらかな最期」の実現
- 対社会:繁栄と調和の「自立共生社会」を実現
なのですが
第一の目的に掲げられているのが「働く仲間」のことです。
”余裕がないと貢献ができないし、思いがあっても自己犠牲だと続かない。”
働く仲間が幸せでないと、福祉はできないと思うから「研修」が必要だと思うんです。
まだまだ試行錯誤しながらですけどね。
福祉分野って、目の前に「困り感を抱えている人」がいることが多いので、焦点がその方にあたることが多いのですが
その方々をケアするスタッフが幸せか?という視点やスタッフの心の持ち方に焦点を当てて投資している点が新鮮でした。すっごく大事なこと!
やっぱり”人” 幹部育成ですね。幹部が育った分だけ展開ができると思う。
今は小さくやっているが、今後はレストランや保育園やデイサービスを含めた形に展開する予定です。
そう話しながら今後のビジョンや向かう方向などを、ボードを見せながら説明をしてくださいました。
熱い想いだけでなく経営などについての知識も豊富な小尾さんの話を聞いていてワクワクし
愛さんさんビレッジの1ファンになっている自分もいました(^^)
大きなビジョンを持ちつつ一歩ずつ進む。
運営・経営側としての視点が必要な今、愛さんさんビレッジに訪問できたことや
代表の小尾さんとお話をさせていただく機会をいただけたことが、今の自分にとって非常に刺激的でした。
目の前のことばかりに集中しがちになるけれど
社会にとってどうなのか?どんな社会を目指したいのか?
という視点が抜けてしまったら、成長もなくなってしまうのだと思う。
小尾さんのように、大きなビジョンを持ちつつ、一歩ずつ進もうと、新たに決意!
小尾さんだけでなく、何人かのスタッフさんにもお話を聞かせていただいたのですが、小尾さん同様
”自分はまだまだです”
とおっしゃっていたのが今も心に残っています。
きっとその気持ちがあるからこそ成長できるのだと思いました。
小尾勝吉さん、愛さんさんビレッジで出迎えてくださったスタッフさんやクルーの皆さま
本当にありがとうございました!!
数年後、私も成長してお会い出来たらうれしいです。
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