「障害者アート」という言葉が嫌いな私が「たけたみんなでアート」を実践してみて感じたこと。

こんにちは。竹田市地域おこし協力隊のオクユイカ(@Saba0m)です。

今日は地域おこし協力隊の活動の話・・・。

 

2018年10月8日から大分県では国民文化祭・全国障害者芸術・文化祭が開催されます。

私も、竹田市で実施される「障害者芸術・文化祭」の企画を考え実施準備をしてきました。

 

竹田に移住してまだ数か月のころ、アート関係の協力隊員がこの事業の担当になったことを知り

私も一緒にしたい!と言って企画運営チームに入った理由は

 

「障害者アート」

 

この言葉が好きじゃなかったからです。

 

アートまでわけちゃうってなんかな~という違和感があったから、そうではないものを一緒に作りたいって思いました。

 

それから、仲間3人で企画・運営の話し合いをし

「たけたみんなでアート」を通して障がいの有無に関わらず、様々なバックグラウンドを持つ人々が接点を持つ機会をつくることを目的として、動いてきました。

たけたみんなでアートの取り組みはFacebookで更新しています→→「たけたみんなでアート

その企画の一つが「楽市楽座×みんなでアート」です。

「楽市楽座×みんなでアート」のこと。

おく
興味がある人だけが見にくるのでは広がりがない!

何かの「ついで」に楽しめるようにしないとなぁ。。。

そんな理由で、まちなかにある古町通りを歩行者天国にして

アートだけでなくみんなで楽しめるイベントにしよう!と思ったけれど

予算や集客、歩行者天国の許可届け等のことも考えると中々時間がかかりそう・・・・。

 

そう思っていた時に、「楽市楽座」というイベントの事を知りました。

楽市楽座は、竹田の商店街振興組合が主催のイベントです。

 

商店街振興組合の方に相談をし、規模感が丁度よい古町通りでやりたいこともお伝えして

「楽市楽座×みんなでアート」の実現!!

その中の企画のひとつである「トロルを探せ!スタンプラリー」は私がどうしてもやりたかったことでした。

 

トロルを探せ!スタンプラリー

トロルを探せ!スタンプラリーは、竹田市内の5つの障がい者福祉施設の利用者さんに協力を依頼し

作成してもらったトロル(妖精)を、まちのなかに隠して子どもたちに探してもらうという企画。

  • 竹田の町をじっくり見る
  • スタンプラリーという遊びを通して、自然と作品に触れる・見る

そんなきっかけになればいいなぁと思って。

トロルというのは妖精という意味です。

「トロル」であれば模倣をするのが難しい方でも自分の好きなようにできるし、制作が難しい方でも粘土に触れたりすることで感覚的に楽しめるのでは?

と思ったから。

 

「トロル(妖精)」というテーマだけで後は福祉施設の皆様にお任せ!

 

サイズも素材も雰囲気も異なるおもしろいトロルが集まりました!!

 

当日、歩行者天国になった古町通りに、トロルを設置をして

「トロルをさがせ!スタンプラリー」がスタート。

家族でスタンプラリーをしている様子。

合作で、大きな妖精?妖怪トロル?!を作ってきてくださった福祉施設さんも!!

小さいお子さんは、このトロルが怖くって近づけない時も・・・・笑

神社の中に置いたのでそりゃー怖いよね(^_^;) ※許可を得て設置

 

みんなのいえカラフルに遊びに来ていたちびっこチャンと一緒に私もめぐってみたんだけど

トロルの顔比べをしてみたり

途中でエイサーに目が釘付けになったり

寄り道しながらも順調だったのに妖怪トロルの場所に行くと、表情がこわばっていく。。。

1人は「こわい・・・・いかない」と言い、もう一人は「私は行けるよ!」と自信満々で進んだけれど

途中で「こわい・・・スタンプもらいにいけない・・・」と。。。

 

私がトロルをギューっと抱きしめる様子をみせると安心したのか、だんだん近づいてきて友だちの分も無事ゲット!

トロル探しを楽しんでくれていたようでよかったです。

 

最後はみんなのいえ「カラフル」にてスタンプラリーの感想を書いて

お菓子の詰め合わせをもらっておしまい!

参加賞渡しのボランティアをしてくれた友だちが、子どもたちを喜ばせようと仮装をしてくれてたことがびっくりでした。笑

ありがたや〜!!

「障害者」も「アート」も多くの人が”興味がない”という前提を持つこと。

興味があれば”わざわざ”でも行くし、興味がなかったら”わざわざ”行くことはないと思っています。

誤解を恐れずに言えば「障害者」も「アート」も興味がない人が多いです。

そのために、わざわざ行く必要のない「まちなかでしたい!」と思っていたし

楽しみながら作品を見れる方法として宝探しゲームのようなスタンプラリーにしてみた。

感想は・・・

「神社の所で見たトロルみたいなおにがこわかった。でも楽しかったです」

「高校生ながらに楽しみました!こういうイベントすごく良いと思います」

「竹田の町並みをゆっくり見てまわる良い機会となりました」

「5こ目のスタンプにたくさんいたのがおもしろかったです」

「とてもたのしく とちゅうの 神社のぬいぐるみがちょとこわかったです。」

「スタンプが置いてあるお店を見てみたりして、楽しかったです」

「いろんなスタンプがあって楽しかった」

 

最後の感想は反省点です(^_^;)スタンプが目的でも全然良いけどね!

でも

  • 竹田の町をじっくり見るきっかけに。
  • スタンプラリーという遊びを通して、自然と作品に触れる・見るきっかけに。

という目的は達成できたのかな?と思います。

準備が間に合ってなくて前日にバタバタ準備をしたから、改善点もめちゃくちゃありますが。

 

 

「障害者」・「アート」どちらとも、関心・興味がある人はある。けれど興味のない人も多くいる。

その前提を置いて、どうやったら興味を持つか?を考えることって大事なんじゃないかなーって思います。

 

真面目な事とか考えんでもいいから、「楽しみながら”知る”」がその第一歩かなって。

そんなことを常々思います。

「障害者アート」という言葉が嫌いだった。

スタンプラリーの案内をしている時に、障害のある方が作った作品だと言ったほうがよいのか、言わない方がよいのか迷いました。

というか、はじめは言う必要ないって思ってたけれど少し気持ちが変わってきたんです。

 

そもそも、なぜ障害者アートという風に分けているのか?

全国障害者芸術・文化祭とは

芸術及び文化活動の発表、交流の場を提供することにより、障がい者の創造性を高め、社会参加を促進するとともに、国民及び県民に、障がいに対する理解と認識を深めていただくことを目的に、平成13年から毎年、全国持ち回りで開催されている国内最大の障がい者芸術・文化の祭典です。 引用:国民文化祭について

つまり

  • 障がい者の創造性を高める(機会創出)
  • 社会参加の促進
  • 障がいに対する理解と認識を深めていく

ために「障害者」と分けているんですね。

障害者=できない人 だと勘違いしている人にとっては「こんなことができるの?!」と新たな発見ができる場になるのかもしれません。

 

今回、私がスタンプラリー用紙をお渡しした方々には「障がいのある方が作ったもの」という説明はしなかった。

けれど

  • 障がい者の創造性を高める(機会創出)
  • 社会参加の促進
  • 障がいに対する理解と認識を深めていく

こんな目的があるならある程度の年代より上の方には説明をした方がよかったと思うし

今は「障害者アート」という言葉を使うことも必要なのかなと思いました。

 

目的がクリアできていないからこそわざわざそう呼ぶ必要があるわけで

目的がクリアした時には、障がいがある方が作ったものかどうかを全面に出す必要がなくなって

純粋に ”作品を楽しむ” ことができるようになるのかもね。

 

「たけたみんなでアート」も「カラフル」もアプローチの方法は違えど、根本の想いは同じです。

「障害者」という生き物がいるわけではなくて、あくまでも「同じ人間」です。

そんな当たり前のこと!

 

それなのに”知らない”ことが理由で別物と考えてしまうのが人間なのかもね。

 

「障害者アート」という言葉は、お互いを知る最初のきっかけに。

いつか、そんな言葉が無くなる世の中が理想なのかもしれないな~

なんてことを考えながら過ごした一日でした!!

 

以上、オクユイカ(@Saba0m)でした!

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おく ゆいか。
介護福祉士→発達障害関係のNPO法人→特別支援学校教諭→退職して青年海外協力隊etc...
”みんな違ってみんないい” を実現する社会をつくるために、NPO法人TetoCompanyを設立し
大分県竹田市にて地域の交流拠点や福祉事業を運営。
小心者でおっちょこちょい。
LGBTサポートチームココカラ!共同代表。LGBT当事者として大分県内で講演活動等もしてます




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