こんにちは。オクユイカ(@Saba0m)です。
学校現場や、施設、海外ボランティア等、障がいのあるお子さんや成人の方と関わって約10年になるのですが
どの場所でも同じですが、特に、発達障がいのある子どもたちと関わっていると、偏食がひどいお子さんがいます。
ポテト以外は食べられない。白ご飯しか食べられない。白ご飯の温度が食べたれない等。
数種類だけ食べれない!とかであれば、気にする必要はないと思います。
ただ、その食材のみしか食べられないとなると…心配ですよね・・・。
今日は、偏食の原因や具体的な事例を書きます。
程度の差が違うだけで、どのお子さんにも言えることなので、お子さんの偏食に悩んでいる方、ぜひ、読んでみてください(^^)
偏食の原因として考えられるもの
原因は一人一人違う という前提を置いて書きます。
食べ物の味そのものが苦手
私は椎茸が苦手なのですが、椎茸のだし汁とか、吐き気を催します。。。(笑)
けれど、椎茸が大好きな人もいます。味の感じ方は人それぞれ。
「こんなにおいしいのに!!」って思っていても、子どもが不味いと感じたら食べられなくなることもあるでしょう。
「食事」に対する過去のトラウマ
親が大喧嘩をしている時の中で食べた、シチュー・・・・。シチューを食べたくない!と、なるお子さんもいるし、保育園の時に無理矢理先生に食べさせられたことが原因で食べられなくなったお子さんもいます。
私が小さいころ、食べるのが遅くて、保育園の先生が、パンをギューって手で固めて私の口に入れたんですよね。笑
トラウマにはなっていないのですが、パンがギューってされたのを見ると、その時のパンの臭いとか思い出してしまいます(^_^;)
臭覚過敏や味覚過敏(感覚過敏によるもの)
感覚過敏を持っているお子さんも多いです。
無理矢理食べされるのはトラウマになったり信頼関係を失う原因になる可能性もあるので、ゆっくりと本人に寄り添って支援をしていく必要があります。
給食の臭いがダメで、みんなと同じ場所で一緒に食べられないお子さんもいます。
食べ物が混ざるのがいやで、一つの食材ずつに分けないと食べられないお子さんも。
餃子は大好きだけど、シュウマイは鼻をつまんで「くさい!」と、食べれない子もいました。
温度が変化するだけで食べれなくなることも
給食のパンが食べられなかったあるお子さんがいましたがオーブントースターで少しあっためたら食べられるようになった例もあります。
白ご飯の温度が変化するだけで、口に出来なくなるお子さんもいます。
私たちは普段敏感に感じない人がほとんどでしょうが、温度の違いによって、臭いや食感なども変化しているのかもしれません。
こだわりによるもの
特に自閉症スペクトラム障害のあるお子さんに多いです。特性の一つに”こだわり”があります。
「マックのフライドポテトは食べる!ガストのは食べない!」と、こだわっているお子さんや、
お菓子のパッケージにこだわっているお子さんもいました。
ここで、ちょっと注意が必要なのですが、こだわりから自分で抜け出せず、本人は食べたくないのに、食べ続けている場合もあるので注意です。
”こだわり”にこだわっている状況です。
味の変化が苦手
発達障がいのあるお子さんの中には変化に弱い子が多くいます。
味の変化が苦手なことにより、同じものをずっと食べ続けている という場合も考えられます。
食べず嫌い
食べたことがない食べ物を、見た目で判断をして、食べない場合もあります。
この場合は、見た目を変えるだけで食べれるようになる場合もあります。
偏食を治す工夫
これまで書いたように、単独で原因になっている場合や、複数が重なっている場合もあるので、なぜ食べられないかを考慮したうえで、支援をしていく必要があります。
楽しい雰囲気の中で食事を楽しむことが一番大事。
食事って、一日に3回もあります。その食事時間が苦痛でたまらなかったら一日3回も苦痛を感じる場面があることになります・・・
それってストレスです。
楽しい雰囲気の中で食べるということはとても大切です。
また、偏食を治した方がいいかどうかは偏食の程度や本人の様子に合わせた方がいいです。感覚過敏の程度とかこだわりの強さとかは人それぞれなので。
避けた方がいいのは、強制して食べさせるという方法。
自閉スペクトラム症は、ツライ記憶を忘れられないという特性があります。忘れられずにフラッシュバックをおこすこともあるので、気をつけましょう。
ある小学生の男の子は、事あるごとに「保育園の時ね・・・」と過去の悲しかったことを話していました。忘れられないってツライんです・・・。
本当に食べられないのか、試すことは大事。
”嫌がっているのに食べさせる”という意味ではありません。
「挑戦してみよう」 って子ども自身が思ってもらえるように、大人側が工夫する という意味です。
ストレスをかけすぎてもいけませんが、本人の様子をみながら少しずつ負荷をかけてみることは大切です。
一人一人支援方法は変わってくると思いますが、参考に一事例だけ載せておきます。
事例:給食が食べられないお子さんの偏食が改善した例
出会った当初は給食に出る白ご飯とふりかけしか食べれませんでした。
信頼関係ができたころから給食の時に食べられるものを増やす支援を開始しました。
保育園で書いていた日誌を保護者の方に貸してもらったところ、保育士さんが、〇月〇日(はるさめ以外は食べれました)と、丁寧に記録してました。
そういう情報って本当にありがたいんですよね。
そんな情報や、本人の様子を見ていると、環境の変化(食べる場所)や味の変化、食べず嫌い、味覚過敏で食べられないものもあるようでした。
スモールステップで徐々に挑戦していく。
急に、食べれないものを、給食トレーに一皿おいてしまうと、食事がつまらなくなります。
本人が無理しすぎないように、ストレスを感じすぎないように、少しずつステップを踏む必要があります。
これをスモールステップと呼びます。
その1:臭いを嗅いでみる
最初から食べることを目的にしてしまうと、本人が苦痛です。
今日はこんな食べ物があるよー♪ って見せるところから始めたり、一瞬だけ臭いを嗅いでみるとか。
そういうところからはじめました。
その2:少し、口にいれてみる。
本当に少しです。舌でちょっと舐めてみるでも、一旦口にいれて出してもオッケー。食べれなくてもハナマル!!
ほんとーーーーーにちょっとだけ。
ここで、本人の表情もしっかり見ておかないといけなくて、何が原因で食べられないのかのヒントをしっかり探る必要があります。
チャレンジのあとには好きな食べ物を
チャレンジをした後には好きな食べ物をご褒美に。
その子の場合は、ふりかけが好きだったので、小指の爪の先くらいの野菜を食べるごとに、ふりかけを一振りでした。
「ご褒美を与えよう」という感覚で偉そうにしてはダメです。
あくまでも、一緒にチャレンジを喜び合うという感覚が大事。
チャレンジができなくてもいいんです。そんな日もあるでしょうから。
怒る必要は一切なくて、ただ、ふりかけの一振りが無いだけ。
「明日は、チャレンジしてふりかけ食べようね」とプレッシャーにならない程度に。
チャレンジできない時は、本人の体調や気分等も配慮する必要がありますが。
好きなもの→苦手な物→好きな物→苦手な物
ある程度慣れてきたら、食材の量を少し大きくしてもいいと思います。
その子は、好きな物だけを先に全部食べてしまうお子さんだったので
好きなものと苦手なものを交互にお皿に置くように・・・・
左から順番に食べていくのがわかるような配置に。
”一人で食べれたよ!”という自信をつけてもらえたらなという想いと、他の児童も見ないといけないという大人の事情により、ずっとその子についているということからは少しずつ離れました。
食べきれる量をお皿にのせて達成感を感じられるように。
「食べた」という気持ちを味わうために、食べきれるだけの量をお皿に載せることが大事です。
「食べた」という達成感を味わうこともできますし、おかわりが欲しい時はそれを伝えるという学習もできます。
※苦しいのに「最後まで食べなきゃ」と毎回無理してしまうお子さんもいるので、”残すことは悪いことじゃないんだよ”ということも伝える必要があります。
1年かけて偏食改善に取り組んだ結果。
がんばりすぎるとストレスになるので、根気よく、ゆっくりが大事です。
上に書いたようなことを一年間かけてしていました。
1年経つと色々な物が食べれるようになり、
2年目の終わりごろには
「せんせい、シイタケ食べれないの?私食べれるんだよー♪」と、どや顔で見せてくれるほどに。
ほんと、たまらないんですよね、あのどや顔が。笑
関わって一年目は、言葉もあまり話せなかったり、よく癇癪になっていたのになぁ・・・と、しみじみ思ってしまう場面でした。
※これはあくまでも一例です。
大人と子どもの信頼関係が大事!
みなさんそうだと思うのですが、”誰に言われるか”って重要じゃないですか?
大好きな人、信頼できる人に言われたら
”ちょっと試してみようかな・・・”って思うはず。
「食べなさい!」と強制的になってしまうと、関係にひずみが入る場合もあります。
また、自分の気持ちを言語化するのが難しい発達段階にいるお子さんや、コミュニケーションを苦手とする自閉症スペクトラムのお子さんの場合は、伝えられないことでストレスを感じ、癇癪を起こしたりもします。
信頼関係を築き、子どもが安心できる大人になることが大切ですね。
学校や園の先生と連携を。
学校(園)では我慢して、家に帰宅した後にパニックを起す場合、家で我慢しすぎていることが原因で学校でパニックを起すお子さんもいます。
誰が悪いを決めるのではなく、学校(園)と家庭が連携して情報を伝えあって原因を考えていくことが大切です。
また、学校/園によっても違うかと思いますが、毎年担任が変わる場合があります。
担任が変わるごとに、連携するための情報交換は行っていますが、細かい情報や支援方法など全てが伝えられるわけではありません。担任が感覚的に支援している部分もあるので。
一番、情報を持っているのは保護者の方です。
少し、うるさいかな?というくらいでいいと思うので、しっかり想いを伝えましょう!
私自身が教員だった時は、保護者の方からいただく細かな情報が有り難かったです。
子どものために、子どもにどういう特性があるのか、家庭で上手くいった支援方法などを是非、共有してくたさい。
サポートブックを作れば、かかわる人に毎回情報を漏れなく伝えられるので、おすすめです(^^)
まとめ
一人一人の子どもの偏食の原因を考え、必要であれば偏食を治す支援をスモールステップで進めましょう。
一番大事なのは、楽しい雰囲気の中で食事を楽しむこと!
大人になったら自然と食べれるものが増えたという例もあるので、焦らず、ゆっくり、進めていけるといいですね。
以上、オクユイカ(@Saba0m)でした。
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