教員を辞めたいと思う4つの理由と本音。教師は多忙でブラックなの?

こんにちは。元特別支援学校教員をしていたオクユイカ(@Saba0m)です。

最近、NHKでこんなニュースを見ました。

”新人教員 10年で少なくとも20人が自殺”

精神疾患などにかかる公立学校の新人教員が急増し続ける中、この10年間で、少なくとも20人の新人教員が自殺していたことがNHKの取材でわかりました。

教員は新人でも担任をもったり、保護者に対応したりする必要があり、専門家は「新人教員は即戦力として扱われ、過度なプレッシャーを受ける。

国は自殺の現状を把握して、改善を図るべきだ」と指摘しています。

私は教員採用試験合格をして、特別支援学校教諭として2年3か月働き、退職した身です。

他にしたいことがあっての退職なので、現場が嫌になったわけでは決してないのですが、学校現場で感じる課題は多くありました。

そして、ブログ経由で”教員を辞めようか迷っている”と相談を受けることが時々あります。

※この記事では、教員を辞めたいと思う理由や、現場で働く教員の本音について書いています。

「教員を辞めたい」理由とは

1:「子どものために」を義務化しすぎて自分を見失う。

3231f68395b56cd95d0e73ec3b6e9d31_s

福祉の現場でも同じだったので、もしかしたら他の業界も同じなのかもしれません。

「子どものために」

「お客様のために」

「会社のために」

「社会のために」

こういうのって、とても大切なことだと思うんです。それが日本らしさって感じる時もあります。

ですが、これが義務になると苦しくなるんじゃないかと思う。

教員になった最初って、不安はあれど、やっぱり「子どもたちのためにこんな先生になりたい」という理想を持っている人が多いと思います。

その時は ”Want” 

これが、先輩教員や保護者のとのやり取りの中で”Must”になっていくと段々辛くなります。

学校の教員は採用されたばかりの新人でもクラス担任や部活動の顧問を任されたり、保護者に対応したりと、ベテランと同じ役割が求められています。引用:”新人教員 10年で少なくとも20人が自殺”

私も初任者1年目から担任でした。が、特別支援学校は少し特殊で、1クラスに何人も担任がいます。

それでも、教員という地位に就くことによって「しっかりしなければ!」「周りに迷惑かけれない!」とかなり意気込んでいました。

だって、子どもたちや保護者の前に出たら、初任者とか関係なくて、”先生”になるから。

 

高校で教員をしている友人が「周りに弱いところ見せたらいけないと思っていた」と話してくれたことがあります。でも・・・・

 

先生だって、人間です。

 

完璧な人間なわけない。嬉しかったり悲しかったり、こっそり傷ついたり・・・苦しいことに耐えていたり・・・。

先生が完璧でなければならない理由なんてないと思っています。

むしろ、先生が完璧人間だと、最終的に子どもが苦しくなる。と私は考えてます。

弱いところ、ちょっと見せちゃうくらいがいいんじゃないかなって。

 

「子どものために!」を考えたらいくらでもすること・したいことってあるんです。

熱心な先生も本当に多いです。

ですが、教員もキャパがある。

すべてを完璧にこなそうとすると、すぐにキャパオーバーで潰れちゃう。自分を見失っちゃうくらいだと本当に危ないです。

2:通常の仕事に加え「部活動」の指導まで追われる

33d4210a23bef9072266265e9845144f_s

部活動の顧問になったら、土日もなくなることも多いです。

そして、自分の興味のないスポーツの顧問になって、指導にあたることだって当たり前。

現行の学習指導要領の総則には、部活動について以下のように記載されています。

生徒の自主的,自発的な参加により行われる部活動については,スポーツや文化及び科学等に親しませ,学習意欲の向上や責任感,連帯感の涵養等に資するものであり,学校教育の一環として,教育課程との関連が図られるよう留意すること。

その際,地域や学校の実態に応じ,地域の人々の協力,社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携などの運営上の工夫を行うようにすること。

引用:現行学習指導要領総則

学校教育の一環だから、必要とされています。

ただ、平日はサービス残業。土日も時給に換算したら微々たるもの。

お金をモチベーションというより、やっぱり「子どもたちのために」をモチベーションにするしかないんじゃないかなと思います。

 

悩みながら児童・生徒との関係性を築いたり、自分の働き方を見付ける期間にいる新人教員が、部活動の顧問までやるとなると、かなりしんどいです。

 

それなのに、新人教員は頼まれたら断りにくい。

だからこそ、総則にも書いてあるように

その際,地域や学校の実態に応じ,地域の人々の協力,社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携などの運営上の工夫を行うようにすること。

 

これ、とても大事だと思います。

 

実施している学校もありますが、多くの学校で外部コーチを取り入れるような仕組みができるといいですよね。。。生徒、教員お互いにとってプラスだと思う。

 

お金の問題が絡むのかな・・・・。校長や教頭が、その点は考えてほしいところですね。

管理職も大変そうなのですが(´;ω;`)

3:人間関係に疲れる

人間関係に疲れて辞めたいと思う人も多いかもしれませんが、人間関係のゴタゴタって、どこの組織にもありました。

ただ、人間関係というのは同じ教職員だけではなく、保護者との関係、そしてもちろん児童・生徒との関係も合わせて「人間関係」。

モンスターペアレンツという言葉はあまり好きではないですが、様々な背景があり辻褄が合わない発言で教員を責め立てる保護者がいるのも事実です。

4:そもそも「学校」という場所が合わない

0db048322406acb3c631aeeed97e7002_s

私は、このタイプです。

学校組織をあまり好きになることができませんでした。

学校教育は、日本人を効率よく育てる場所だと思っています。

そうなると、学校のやり方に合わない児童・生徒がでてくるんですよね・・・。配慮したいけれど、配慮していたら全体指導ができなくなる。。。そんな葛藤を話してくれる方もいました。

”本当はこうしたいのに” ”子どものことを考えたらこんなルール不要なのに”という思いを持ちながらも現場で一生懸命な先生方って沢山います。

理不尽なルールがそのまま当たり前になっていることもあります。

 

私自身、社会人⇒学校教員⇒社会人 という経緯があるからか、「学校」という場所の時代遅れ感を感じることが多いです。

それでも、それが「日本人を効率よく育てる」ベターな方法なのかなぁと思ったり。。。

だからベストを目指したい教員は苦労しますし、場合によっては鬱になることも。

他にも理由はあると思いますが

  1. 「子どものために」を義務化しすぎて自分を見失う。
  2. 通常の仕事に加え「部活動」の指導まで追われる
  3. 人間関係につかれた
  4. そもそも「学校」という場所が合わない

の3点を挙げてみました。

教員の本音:この仕事の良いところ

「仕事のプロが本音を明かすhonnne.biz」というサイトには、現在教員をされているかた、過去に教員をされていた方からの本音が投稿されていました。

オク
なんだか・・・このサイトに投稿する方は、割と疲れている方なんじゃないか・・・?という印象を受けます。。。

まずは、良いところから!

子どもを卒業させ、成長した姿を見聞きした時にやりがいを感じる

 

地域と学校と同僚にもよるが、いい地域にあたると、保護者にもこどもにも感謝されてとても嬉しい。
福利厚生が手厚いので将来の心配をしなくていい。

 

子どもといる時間は楽しい。しかし、楽しいと感じられるのも、クラス編成に配慮をして頂いたからだと思う。他のクラスの様子を見ていると、自分の力では確実に学級崩壊だと思う。

 

子供達に元気をもらえる。
子供の成長を感じ取れる。
学級や保護者と関係が築ければ仕事の感覚がなくなり楽しくなる。
人によって指導の仕方が違い、刺激になる。

 

子供の成長を間近に見られること
子供が自分を慕ってくれること
子供の元気パワーを貰えること
夏季・冬季休業中に年休が取りやすいこと

 

教員の本音:この仕事の悪いところ

民間に比べて教師は世間知らずとか甘いとか言われますが、それはある意味正しくて別の意味では教師の世界を理解していない人の言葉です。

民間に転職してビックリ!!昼休みが1時間きちんと確保されているなんて。実質正味40分ぐらいの休憩ですが、教師時代は給食を5分で食べて後は仕事、昼休みの職員室は無人、4月の職員会議に出される休憩時間の割り振りなど全く無意味でした。
その話を同僚にし、教師の休憩時間が20分と25分に分かれていることを教えると仰天してました。

延々と続く仕事は民間も同じですが、少なくとも会社は定時過ぎると電話は自動音声に切り替わります。内線や系列会社の連絡は別ですが、少なくとも外部とは切り離されます。教師は学校に明かりがついている限り保護者だろうが地域の人だろうが対応しなければなりません。下手すると帰宅してからも生徒指導で呼び出されたりします。

しかも残業代ゼロです。
民間もノルマとか時間とか膨大な業務とかに追われ、大変です。しかし教師の精神的苦痛は異質です。会社とかにもクレームの電話がかかってきたりしますが、教師の場合は直接全責任を受け止めるというか、「先生のくせに」という有形無形のプレッシャーが絶えずあります。

私は教育界から縁あって今の会社に身を置きましたが、肉体的には辛い面もありますが、精神的負担は教師時代と違い全然軽くなりました。
多少、給料が下がったとしても、今の境遇の方がずっと幸せです。

 

モンスターペアレンツの存在。子どもに指導しても、親がそれをひっくり返し、学校に怒鳴り込んでくる。生徒は当然図に乗り、最悪の場合学級崩壊する。教師を攻撃しても、子どもが教師を軽視して言うことを聞かなくなれば、まともな指導も入らず、最終的に不利益は子どもに返ってくることを保護者は全くわかってない。天に唾を吐きかけるとはまさにこのこと。

 

・サービス残業…定時後は働いても働いてもタダ。教職調整額で4%ちょこっと上乗せされるだけ。一日20~30分残業したときの計算になる。バカにしてんのか笑
雀の涙ほどの教職調整額なんていらないから定時で帰らせほしい。それが出来るくらいの仕事の量にしてほしい。
・保護者…「子どものため」を思うならきちんと「しつけ」をしてくれ。しつけがなってないと授業どころじゃない。
・提出書類、研修…本当に必要なんだろうか。教育委員会や教育事務所のアリバイ作りのためにしか思えない。自分の力が高まっているとは思えない。
・他の方々も書かれているとおり、多すぎて書き切れない。このまま教師の待遇が変わらないなら、辞める。自分に子どもがもし出来たとしたら、教師だけはやらせない。

 

終わりない仕事
週休二日とかいう嘘
当たり前にある休日の地域行事への参加義務(手当などはなし。出勤記録もつけない)
発言力の大きいサイコパス(保護者も教員も)に振り回される生活

 

地域差がとても強く、保護者がしんどい地域は子供もしんどい場合が多い。学級崩壊をする恐れがある。
仕事の内容が多く、ある程度割り切るか、授業内で臨機応変に流れを組み立てる力がないと教材研究に押しつぶされる。
残業しても給料はでない。

良い意見も、そうではない意見も、頷いてしまう意見だなぁ~というのが正直に感じるところ。

 

ちなみに、私が初任者として就いた学校では、3年間指導教諭が付きました。

常に一緒に行動するという訳ではないのですが、学校のことを一から質問したら教えてくれていました。

とても有難かったし、その方と働けて私は幸せだったと思っています。

そして私の学校は残業は1時間程度。

家に帰ってから仕事をすることもあったけれど、学校全体の雰囲気が、時間内に仕事を終わらせようという雰囲気でした。

その反面、土日出勤や、残業を夜遅くしている学校もあります。

「想い」があって教員になられた方が、今の現場が全てだと思って、退職したり病んでしまうのは勿体ないなと思ってしまいます。

県、学校によっても違うということは頭に入れておいた方がよさそうですね・・・。

数年働けば他県の異動も容易にはなるので、今の場所が全てだと思い込まないでほしいなぁと思います。

社会は学校現場に求めすぎる。

色々な方とお会いするたびに

「学校現場がもっと変われば・・・・」と言われることが多く、元教員としては少し心苦しくなります。

なぜかというと、

間違いない!と思うからです。

ですが、現場はいっぱいいっぱいだということを知ってほしいなって。

じゃないと、私の友人でもある教員が報われない(゜-゜)

これってシステムの問題だと思っています。教員はそのシステムの下で動くしかないですし、「学校」自体もあらゆる社会からのプレッシャーを感じて運営をしています。

リスクを取ることができません。

だからこそ

批判ではなくて、協力が必要。

批判ではなく、相互理解が必要。

そんなことを感じます。

学校は学校としての役割が必ずありますし、そこでできない部分は他の組織が補うことができるような仕組みができたら

子どもにとっても、先生にとっても地域にとってもよいのではないかなと思います。

教員を辞めたその後は・・・。

さて、私は今、竹田市地域おこし協力隊として地域での活動をしています。

・・・・教員を辞めたいけれど後悔をするのではないか?と思っている方がいるとしたら、

教員を退職しても新たな道を明るく進んでいる人っています!そのことを心にとめておいてもらいたいです。同じく竹田市の協力隊員には教員を退職された方が私を含めて3名います。

 

現在は、学校と上手く連携しながら、「学校」や「社会」に合わずに悩んでいる方が、ホッと一息つくことができる居場所づくりをしています!!

思うことをつらつらと書いてみました。

無料長所診断
最後に、無料なのに、とても役だった診断テストがあったので紹介して終わります。

8568通りの中からあなたの本当の長所を教えてくれるグットポイント診断。

もうご存知の方もいると思いますが、すごく当たると噂のあの診断です。

・自分の長所がわからない

・自分のことをもっと知りたい

・自分に自信を持ちたい

という方におすすめです。

私自身も自信がない時にやってみて、自信をもらえました。
自分の長所って意外と見えてなかったりするので・・・(^^;)

興味あるかたはやってみてくださいね♪

【自信がない人におすすめ】噂の無料長所診断やったら自信をもらえた

以上、オクユイカ(@Saba0m)でした!

スポンサーリンク
スポンサーリンク
おく ゆいか。
介護福祉士→発達障害関係のNPO法人→特別支援学校教諭→退職して青年海外協力隊etc...
”みんな違ってみんないい” を実現する社会をつくるために、NPO法人TetoCompanyを設立し
大分県竹田市にて地域の交流拠点や福祉事業を運営。
小心者でおっちょこちょい。
LGBTサポートチームココカラ!共同代表。LGBT当事者として大分県内で講演活動等もしてます




記事がよかったらシェア!

コメントを残す