青年海外協力隊って本当に必要なの??




こんばんは。オクユイカ(@Saba0m)です。

私は2016年10月まで青年海外協力隊としてマレーシアのサラワク州という場所で二年間活動をしていました。

職種は障害児・者支援。

 

協力隊の二年の経験は私の人生にとってもかけがえのない出来事。と言ってもいいくらい。

 

もう、沢山書いたので、協力隊のことは書くことないかなぁと思っていたのですが、

 

こんなブログを見ました・・・

 

青年海外協力隊は今年、アジアのノーベル賞といわれるマグサイサイ賞を受賞しました。

これは過去にマザーテレサやダライ・ラマ14世も受賞されている名誉ある賞。

協力隊の最大の受賞理由が

50年以上にわたる、”現地の人々とともに”という姿勢。

 

任期が残り半年になったKeiさんは、その受賞理由を見て、協力隊としての2年間の”成果”が「実績」なのか「姿勢」なのかで悩んでいるといような内容。

(マグサイサイ賞等、詳しくはKeiさんのブログを参照してください♪)

すごくすごく思うことがあったので、協力隊って必要なのか、協力隊に求められているものは実績なのか姿勢なのか、書いてみたいと思う。

 

任期の半年前、任期短縮も視野に入れていた私

Keiさんは今、任期を終える半年前。

私が任期を終える半年前、結構悩んでおり、

当時、吐き出す場所がなかった私は、Facebookに想いを書いていました。

 

組織的な問題が絡んできてどうしようもない。

一番したい直接支援にじっくり関われない。

そんな状況になってきて

ボランティアって何?

私はなぜここにいるのか?

色々考えすぎなのかもしれないけど税金で生活させていただいている身なので、あとわずか半年だけど、無駄になるなら帰ることも考えなきゃ。

とか考えてたら、体調崩して数日寝込んでました。(知恵熱?笑)

現場の声と組織の声…大きな違い。一番大事なのは子どもたちのことじゃないの?と。叫びたくなる……気力もなくなる。笑

詳しく書けないのが歯がゆいですね。うむ。

組織というのは、マレーシア政府とJICA。

政府に直接資金交渉をしたり、JICAとも色々あり。

ボランティアって何?私海外でなにしてるんだろう?

って考えてました。

 

実績ってなんだろう?

サラワク州の特別支援教育のことを考えて考えまくった二年でした。

 

直接的な子どもたちへの支援、教員との関わりだけでなく、大規模なフォーラムやワークショップ、本の翻訳や作成など色々しました。

特にフォーラムに関しては、JICAから実績として評価を受け・・・だからJICA本部から代表挨拶の話が来たんだと思います(あくまで予想)

任国の人々とのきずなを大切に――帰国したJICAボランティアへの外務大臣感謝状授与式

 

 

正直、複雑だった。

代表挨拶の話が、帰国2か月前くらいにきました。断ろうと思っていたけど、JICAマレーシアにとっても私にとっても名誉あること と言われたこともあり、引き受けることに。

 

お世話になりまくった調整員さんからの話だったので!

 

でも、

”わたし、なんもできてないじゃん”

”なにも実績残せてないじゃん”

 

そんな気持ちでいっぱいだったんですよね。嬉しいような、私でいいのかどうか・・という想いで複雑でした。

 

「私、〇〇しました!」

「〇〇もしました!」

 

そんなんだったら、いくらでも書けるんです。

 

だけど、それって周りへのアピールに思えてきちゃって、ださいなって思ってた。

 

そう思う反面、JICAへの提出が義務づけられている報告書にはしたことを書かないといけなかったし、協力隊って何をしているのかを周りに伝える必要があったので、ださいと思いながら、違和感を感じながらも報告会や報告書を作ってました。

 

心の中では、”私は何もできていないじゃん”という思いを持ちながら。

 

実績って、数値で見えるものだけ?

実績をないがしろにしてはいけない。とは思っています。

だって、税金をたくさんかけられてる国際協力の事業ですもん。ただの娯楽になったらそれこそ税金の無駄遣い。

だから、意識を持って、要請された理由を考え、問題意識を持って、真っすぐに現地の方と関わっていく必要があると思っています。

 

でも、「〇〇しました!」っていって、インパクトは残せるかもしれないけど、継続性が無かったらゼロ

 

また、たとえ二年間で、実績を残せたとしても、その実績が本当にその国の役に立っているのかどうかは、すぐにはわからないと思います。

 

数年後、協力隊が”現地のために”ってしたことが裏目になる可能性だって十分にあると思っています。

 

本当に大切な事って、数値で見えるものだけではない。

そうやって、モヤモヤしていた自分。

心やすめになったのは、ボランティアが発行している雑誌でした。

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この中で、活動紹介をしていただいたんです。

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活動紹介の記事を書いた隊員は、私だけでなく、私のカウンターパート、その時一緒に活動していた先生にもインタビューしてくださってました。

自分のことが書いてあるので、ちょっと恥ずかしいのですが、私が読んで特に嬉しかった部分を引用します。

 

直接子どもに影響が出るという理由で、奥JVは先生方への日常の支援・指導が一番重要だと考えている。

彼女が先生に何かを伝えたりサポートしたとして、相手が分かったと感じても、その場限りの可能性がある。

だから、その人の心に何か灯火のようなものが生まれないと意味がないと言う。

 

彼女にその灯火をもらった先生がここにいる。

 

フィオナ先生は「奥先生がいなくなってからも、やりたいことはたくさんある」と意欲を燃やす。

彼女が仕事を始めた頃、挑戦したいことがたくさんあったが、長期間一人で働くについれてそのモチベーションが薄れ始めた。

先生はこれまで、言葉でのコミュニケーションが出来ない子どもに教えた経験がなかった。

その時は、これまでの方法が通用せず、こういう子どもに教える方法はないと思い込み、ストレスを感じていた。

しかし、決して諦めないで方法を探す奥JVの姿を見ていると、他の方法もあるのだと気がついたと言う。

 

新しい道が見えてからは、独自の工夫を広まった。この充実感が、かつての情熱をもう一度思い出させたのだろう。

奥JVから受け継いだ灯火が、生徒を明るく照らし出す。

 

「奥JVから学んだことは?」と尋ねると、彼女のカウンターパートのダヤンさんもフィオナ先生も、真っ先に「情熱」と答えた。

「きっと奥先生は、世界中のどの国に送られても、このように情熱を持って子どもたちと接するのだろう。

この情熱はユニバーサルだわ。」と熱っぽく語った。

 

自分だけ突っ走ってるんじゃないの?って葛藤ばかりでした。

 

でも、日本人が一生懸命やってる”姿勢”をちゃんと見てくれてたみたいです。

 

この文を読んだ時、情熱が伝わっていたんだなぁって、素直に嬉しかった。

 

さらに当時、よく協力してくださった先生二人は、日本で行われる研修の候補生にも選ばれています!!

うれしい!

 

私は日本でがんばるよ!国は違うけど、目指すところは一緒。だからお互いがんばろうね!

そんな気持ちでいっぱいです。

 

 

”姿勢”を見てもらおうだなんて偉そうなことは思っていなかったけど

私自身が苦しんだり悩んだり

がむしゃらになっている姿から感じるものがあって

マレーシアの方が行動しはじめたのであれば、これほど嬉しいことは無いと思いました。

 

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青年海外協力隊は世界と日本を繋ぐ役割

マグサイサイ賞について、外務大臣感謝状授与式に参加されていたある議員がおっしゃっていたことが印象的でした。

 

「過去、フィリピンと日本は関係が悪かったんです。ですが協力隊がその国に行き、その国のために一生懸命行動することで、次第に、日本人に対するイメージが良くなり、フィリピンの友好が築かれていった。マグサイサイ賞を受賞することができたのは、あなたたちの先輩隊員、そしてあなたたちが悩みながら活動を続けてきたおかげです」

日本と関係が悪かった国はフィリピンに限ったことではない。

 

何人かのマレーシア協力隊OBも、あるアンケートに

”「日本人は嫌いだった。けどおまえが一生懸命な姿を見ていたら好きになった。ありがとう」と言われた

 

と、書いてあった。

 

過去、日本はマレーシアを植民地にしていた過去があるんですよね。

 

お金の援助だけではできないことがあるんですよね。

 

相手と顔を見合わせて一緒に過ごすことでしかできない隊員と現地の方との心の繋がり。

 

それがきっと大事なんだと思います。

 

例えば戦争をした時に、マレーシアVS日本 ってなった時に、「日本って、ゆいかの国だよね」って、その国の個人をイメージできるのってかなり大きな差。

ネットでめちゃくちゃ暴言吐いている人いるけど、それも同じだと思う。

個人をイメージできないと攻撃しやすくなっちゃうし(゜-゜)。

 

その点を見れば、協力隊ってすごく重要だと思いませんか?

国交が上手くいっていなかったら日本だっていつ攻撃されちゃうかわかりません。

 

・・・あえて、悪い言い方で言えば、隊員は国交に使われてる。笑

 

 

”実績”を残すために行動する”姿勢”が大事だと思った。

 

・・・言い方が悪くなってしまうかもしれないけど、協力隊の派遣だなんて所詮、たった二年です。

異国の地で、言語や文化を知ることからスタートして実績を残すだなんて、難しいことに挑戦してるんだと思う。

 

それでも、実績を残すつもりで協力隊に参加する必要はあると思っています。じゃないと”姿勢”も見られなくなっちゃうんじゃないかなと思うから。

 

最後に

つらつらと好き勝手書かせていただきましたが、やっぱり実績も姿勢も両方あらわれるのが一番嬉しいですし、JICAも望んでいるのだと思います。←結局そこ

 

自分自身の経験としては大満足ではあるものの、

「現地のひとたちのためにやり切ったぞ!大満足だ!」なんて一切思えないし、逆に、そう思って帰国する隊員なんているのだろうか・・・って疑問。

 

一生懸命であればあるほど、隊員は悩むのではないかと思います。

 

でも、一人一人が悩みながらも、それぞれの答えを見つけて二年間を過ごして帰国するんじゃないのかな。

 

だから、ここに書いたのは、ただの私個人の考えと、二年間の活動で見えた答えです。

 

協力隊事業ってとても必要な活動だと思っています。海外にとっても、日本にとっても、日本の若者の経験値をあげるためにも。

 

今、がんばっているマレーシア隊員、そして世界中の隊員にエール!!!!

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おく ゆいか。
介護福祉士→発達障害関係のNPO法人→特別支援学校教諭→退職して青年海外協力隊etc...
”みんな違ってみんないい” を実現する社会をつくるために、NPO法人TetoCompanyを設立し
大分県竹田市にて地域の交流拠点や福祉事業を運営。
小心者でおっちょこちょい。
LGBTサポートチームココカラ!共同代表。LGBT当事者として大分県内で講演活動等もしてます




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