はじめまして。おくゆいか(@Saba0m)です。
この記事は、摂食障害の中のさらには過食嘔吐の方向けに書いたもの。(なので、他の方は見ないほうがいいよという意味)
何回か書いたことがあるのですが、私は昔、摂食障害でした。
10年間も摂食障害から抜け出せず、一食分の食事を適度に食べることも難しかった。
具体的に書くのは避けますが、かなりひどい部類です!!
ですが、あの10年はなんだったんだろう?と不思議になるくらい完治。
だから、もう終わったことになってたんですよね。過去のこと。
だけど、ふと思う。。。
「あ・・・私は運よく治ったけど、そうじゃない人もいるんだよなぁ・・・治し方はわからないけど私が治るまでの体験談とか想いを書いておけばどこかの誰かの役に立つかも!!」と。
そんな感じで、自分の過去のことを書くことにしました。
一人一人、事情等違うので、同じ方法をして治るかとか思っていないけど(わかっていたら医者は全員治せるよね)、誰かの参考になれば!と思って書きたいと思います。
※この記事、結構長いので注意(´;ω;`)
目次
私が摂食障害(過食嘔吐)になった原因

最初のきっかけは、「痩せたい」ってことだけ。
でも、よく考えると、でもその裏には「ただでさえダメなやつなのに、太ったらもう本当に終わりだ」そんな意識がありました。
ただ、ダイエットしたいの裏側にあった自己肯定感の低さです。
そして、プライドが高い。
完璧主義。
ここらへんが原因だったように感じています。
だって、太っていても楽しくガハハって笑って生きている人いるでしょ?
私が2年間住んでいたマレーシアの人たちなんて肥満だらけだもん。 実際に糖尿病の方も多いので心配しちゃうくらい。
痩せたいという気持ちに隠れた自己肯定感の低さが摂食障害に繋がったと考えています。
その後なんと、摂食障害と10年間もお付き合いすること。
太らないなんてラッキーじゃんだなんて思う時期も最初はあったけど・・・
摂食障害(過食症、過食嘔吐、拒食症)は、「神経性過食症」、「神経性食欲不振症」として国の難治性疾患克服研究事業の対象疾患130の中の一つに登録されています。
そうなんです、難病に指定されている病気なんです。
ラッキーと思っていたのは最初だけ。
今、そんな軽い気持ちで食べ吐きをしている方がいたら、本当に恐ろしい病気だということを知ってほしいです。
摂食障害のきっかけは人それぞれ
よく、摂食障害の本やネットなどで読むと「母子の関係に原因がある」と書かれているのを見たことがありませんか?
当時は「そんなわけない」「母は一生懸命育ててくれたのに!」って思っていました(今ももちろんそう思っています)。
ただ、同じ環境で生きても、摂食障害になる人もいるし、ならない人もいる。鬱になる人もいるし、ならない人もいる。
だから結局は、”起こる出来事に、どれだけ影響を受けるかは、本人の心の繊細度によるもの”なんだと思っています。
・・・うぅーん・・・・微妙な言い方か。
これを見たどこかのお母様が「ほら!私のせいじゃないのよ!」って思ってしまうのも怖いな・・・。
子どもと向き合い、子どもと一緒に摂食障害を乗り越えてほしい。ってそう思います。
摂食障害だと認めない時期
私が摂食障害なわけないじゃないか!!
5年間くらいはそう思ってました!ネットで「摂食障害」と検索して情報を集めたり、摂食障害の方のブログを見てるのに
「ぜったいぜったい私はみんなとは違う」と。
自分の弱さを誰にも見せれない時期でもありました。
誰にも甘えたらだめだ。
迷惑かけたくないから自分でしっかりしなきゃ。
自分は完璧じゃなきゃ。って思っていたので。
そのうち、”私はこんなに勉強してる!こんなに一生懸命がんばってる!
上手く食べられないなんて、そんな小さいこと無視無視!”そんなふうに弱い部分に蓋をするかのように言い聞かせていました。
食べるって、生きることと直結する行為。
それができないってことは短所ではなくまちがいなく病気なんですよね。病気放置の5年間と同じ。
(病気って何度も言って気分を悪くされる方がいたらすみません)
カロリーや体重を異様に気にしていた。
当時、持っていく弁当のお米は玄米80グラム。(ご飯一膳の半分。離乳食で使用する量)
摂食障害じゃなくて、ダイエットだという意識だったのでダイエット本、健康食に関する本などを買ってた。
ダイエットするけれど、過度なダイエットなため「食欲」がどんどん強くなり、その結果、過食。そして嘔吐。。。
そんなことをして1日が潰れる・・・。
ぁあ・・・私は何やってるんだろう。もやめたい!今日で最後にする!!
吐いた直後はそう思うんです。罪悪感でいっぱいになる。
・・・だけど、すぐに訪れてくる「食欲」に勝つことはできなかったし、食べている間は「幸せ」を感じている自分がいました。
そして、体重が減るごとに、自分が自分を認めている感じ。で、結局、体重が15キロ減りました。
その結果、運動ができなくなったり生理がなくなった。毛が濃くなるっていうのもありました。(体から熱が逃げないように脂肪のかわりに体毛で体を守ろうとする自然現象)
体のむくみ、記憶力が悪くなる、虫歯が増える・・・治った今でも、「これ、過去の摂食障害の後遺症かも?」と思うような体の不調を時々感じることもあります。
カロリーばかり気になって気になって仕方が無かった。
食べ物のことが頭から離れない10年間。
夢にもでてくるくらい本当に異常だった。
仕事とか勉強に夢中になっている時は少し忘れられましたが、その他の時間は
いつ食べて、いつ吐こうか。
誰かと一緒にいて吐く時間がずれたら、それだけで恐ろしくなって、そわそわしだしたり。
勝手な思い込みかもしれないけれど、この記事を今読んでくださっているあなたには、この時の感情が伝わるような気がします。
私の摂食障害が治った理由

摂食障害だということを認める
色々な気持ちを持ちながら、治したいという気持ちと、治したくない気持ちが混在していたように思います。
治したくない気持ちというのは、過食嘔吐への依存です。
過食嘔吐は私の唯一のストレス発散だったし、娯楽化していたので、それがなくなるのが嫌でした。
昔は人と会うのも得意ではなかったし、人と遊ぶと逆に疲れちゃうんですよね。
だから人と遊ぶの頑張ったからご褒美に過食!みたいな・・・明らかにおかしい。
自分は恐ろしい病気にかかっているんだ と、認めることが治るための最初の一歩だったのは間違いないと思っています。
認めないと何も始まらないなぁって思う。
「摂食障害なんだ」「治す必要がある」と思うことが何よりの第一歩です。
摂食障害を治すために試した工夫
過食する時間を作らない
過食する時間を作らないために、実家暮らしの時はできるだけ一人で家にいないようにしました。
過食衝動にかられるときは家に閉じこもることもありましたが。
一人暮らしは、まじでお勧めしない。
治せないことを人に言われたくないから、一人暮らしの方がいいとか、一人暮らしをしたら良くなるんじゃないかと思いましたがひどくなりましたね。
試してみるのはいいかもしれませんが・・・・。
お金を持ち歩かない
お金があると、コンビニとかはしごしちゃうんです。過食のスイッチが入ると、もう止められないので・・・。
だから、財布に入れるのは100円未満。
(ただ、そんなことをしていたので、貯金がたまりましたw)
お金を財布に入れればいれるだけ使ってしまう人もいると思います。だって、「食べたい欲」には勝てないから。あえてお金を使えないようにしてました。
過食をする時も500円~600円まで! 月に1回くらいは1000円を超えることもあったけれど・・・ここらへんはかなりコントロールしてました。
だって、過食嘔吐がお金をドブにすてるようなものだってことくらい頭では分かっていたから。
食事後に自分の気を紛らわす
過食のスイッチが入ると、「食べたい!出したい!」の気持ちで脳が支配されて、人格が変わったレベルに自分のことしか考えられなくなる。
そんな時に、食べた後、強制的に吐けない状況にする。 というのも試しました。
外出するとか、そのまま寝るとか・・・。
過食スイッチが入った状態で過ごすのって不安でいっぱいで泣きそうになるくらいだったのですが、それを乗り越えて一食分食べれるじゃん!という経験は良かったかなと思います。
ただ、一人では難しいですね・・・
私は当時おつきあいしていた方が協力してくれました。
不安な時にそばにいてくれたり「食べなくても大丈夫」と制限してくれる存在は大きかったです。
できるのであれば、親や恋人、協力を得られそうな気を紛らわしてもらうお手伝いをしてもらうのがよいと思います。
体重計に乗らない
これは、よかったと思う!!
食べた後とか、体重が増えるの当たり前なのにそれさえも許せなかったです。
時間はかかったけど体重計に乗らなくなってから、体重のことをそこまで気にしなくなりました。
ちなみに、治った今も、健康診断の時以外に体重計にのることは一切ないです。
昔みたいに戻りたくないから。
ちょっと、勇気がいるかもしれないですが、体重計に乗る回数を少しずつでも減らすことをお勧めします。
摂食障害を治すために試した治療
ヒプノセラピー(催眠療法)
催眠療法が良いと聞いたので、一万円払って受けたことがあります。
催眠というと、テレビでみるような有名人が犬になりきるみたいなのを想像するかもしれないけど、全然違いました!意識は常にあります。
横に寝転んでリラックスした状態で、セラピストの声に従ってイメージしていく。
最終的に過去の寂しかった時期の自分に会い、幼いころの自分を大人の自分が包み込む。 って感じ。
要は、傷ついた時のことを思い出し、その過去の自分を癒してあげようという感じ。
セラピーというものへの抵抗と、セラピーを受ける自分というのにしらけてしまって・・・お金も高かったので一回でやめました。
すぐに効果がでるものではないので、高いお金を払って治らないなんて!と思っちゃう方には向いていません。
傷ついた時のことを思い出し、その過去の自分を癒してあげよう。
この視点は大事だったかなと思います!
病院に行く
いわゆる精神科。
病院に行くのは非常に勇気がいりました。たぶんこれもプライド。
治さなきゃ!よりも、「そんなところに行く自分が情けない」って思っていたのだと思う。
内容は、先生と話して終了。
一番症状がひどい時期ではなかったからか ”このくらいであれば上手くつきあっていけばいいよ” と、そんなことを言われて終了・・・。
1回しか行かなかったです。
摂食障害の自助・ピアサポートグループに行く
宮城県仙台市に住んでいた時に、ネットでたまたま見つけたのがオーバーイーターズ・アノニマス(過食と拒食、摂食障害の人の匿名の会)という団体。
OA オーバーイーターズ・アノニマス は、経験と力と希望をお互いに分かち合いながら、食べ物へのとらわれ (過食・過食嘔吐・拒食・下剤乱用など)という共通の問題から回復するための仲間の集まりです。
「自分の食べ方には何らかの問題がある」「食べ物を使って自分を傷つけるのをやめたい」 と思う気持ちがあれば、誰でもOAのメンバーになることができます。
こんな所いきたくない!と思いつつ、治すために必死で、参加した記憶。
治したかったから5回くらいは行ったかなぁ・・・・。摂食障害が原因で入院されている方、何十年も過食・拒食を繰り返している方などなど、深刻な方ばかりでした。
治った方も参加していました。
自分1人で抱えていた「闇」を誰かに話すということは良かったと思うけれど、病院と同じく、「私はこの人たちと一緒になりたくない」※ごめんなさい、当時の気持ちをそのまま書きます。
で、気持ちが暗い人と一緒にいると自分もどんどん暗くなるのがわかってさ。
一生懸命無理して明るくしてたわけだけれど、それを崩されるのが怖かった。だから5回程で終了。
一番必要だったのは「ダメな自分自身」を受け入れること

まー、何個か書いたんだけど、上に書いた方法って、対処法が多いんです。
過食したい!過食したい!っていうその場の気持ちに蓋をしてただけ。
摂食障害治したい!けど体重が少しでも増えるのはいや。
治したいけど、沢山食べることが娯楽になっている。
そんな矛盾がいっぱいな毎日の中、治そうと色々試すんだけど、結局、自分の本当の弱さや根本の部分には目をそむけた状態でした。
大切なことは
なぜ、過食衝動に駆られるのか?なぜ摂食障害なのか?というとこ。
ストレス発散のための過食→嘔吐する→体のエネルギーがたりない→脳みそが生きようとするために”食べろ”と指示を出す→過食衝動→嘔吐→体のエネルギーが足りない・・・・・
負の連鎖。
そりゃーそうだ。身体は生きるために食べろ!って指示を出すんだもん。
体は一生懸命生きようとしている!
いっぱいSOS出してくれてるんだよ。自分を守ろうとしてるんだよ。
そんなことに全く気がつかなかった。
摂食障害を治すために摂食障害に関する本を読み漁ったり、病院に行ってみたこともあります。
試してみないとわからないから、試してマイナスになることはなかった。
けど、一番大切なのはもっともっと自分の心を見つめるということ。
その期間が1年間なのか何十年かかるのかはわかりません。私は10年でした。
今はもう、過食嘔吐に頼らなくても、大丈夫になったんだと思います。
摂食障害が治ったことで学べたこと
・人と食べるごはんがおいしすぎる
・ご飯を味わって食べられて幸せ
・「あーおなかいっぱい!幸せだなぁ」って思えるようになった。
・食べすぎても「まーいっか」って自分を許せるようになった。
・色々な場面で「まーいっか」と自分自身を許せるようになった。
・自分に完璧を求めず「これがそのまんまの私」って認めれるようになった。
・他人にも完璧を求めなくなった。
・自分の強みや自分の弱みを自覚したことで、物事が進めやすくなった。
もうね、いっぱいあります。
特に、弱みや強みを知るって大事。
子どもたちと関わる時に、一人一人の特性を知ることって大事なんです。
考え方のクセだとか発達段階とか・・・それを把握して本人の持つ力が伸びるように関わるんですよね。
自分に対してもそれと同じ。
自分の弱さも知った上で、自分の力が一番発揮できるように自分支援をしている感じです。
相変わらず心がいろんなことに繊細で(悪い意味)、無駄に世界のことを考えて悩んだり泣いたりすることもある。
けれどそれは今では自分にとってのプラスになってます。
相手の心に敏感になるということは、私の好きな仕事、介護や発達障がいのある子どもたちと関わるうえでとても大切なこと。
なんで摂食障害なんかに自分の時間を10年も費やしたんだろう?って感じるのが本音。
だけど、あの10年は無駄じゃなかった。そうやって思えるようにこの体験を今後生かしていければ・・・って、考えています。
綺麗ごとを言わないとしたら
あの10年は必要なんかじゃなかった!!時間もお金も取り戻したい!!!
ってところです。うん。
摂食障害は甘えではありません。
摂食障害の子を持つ親御さん、摂食障害の恋人をもつ方に伝えたいことがあります。
私が摂食障害の10年間、親は「甘え」だとよく、怒っていました。
今振り返ると、そうやって言ってしまう気持ちもわからなくもないです。買ってきた食材がいつの間にか無くなってしまうんですもんね。忙しい中作った料理を食べたと思ったら吐き出してしまうんですもんね・・・。
だけど断言させてください、摂食障害は甘えでは絶対にない。
ということは断言させてください。
「普通に食べたい」「太ったらイヤだ」
そんな想いを持つ自分・それができない自分と闘っていると思います。
あなたのお子さんや恋人は、勉強や仕事を頑張らない「甘え」ばっかりの人なのでしょうか。
むしろ、様々なことをコントロールしようとする努力家の方が多いのではないかと、私は思っています。
人間の三大欲求の一つ「食欲」について悩むほど、心になにかを抱えています。
本人の「治したい」という気持ち、「次こそは!」と約束しても、また食べて吐いて食べて吐いてを繰り返しまうかもしれない。だけれど、そのことで絶望感のようなものを抱いているのは紛れもなく本人なんです。
苦しくなるほど寄り添って欲しいと言いたいわけではないです。
ただ、「甘えている」「約束を守らない人」「盗み食べをするいやしい人」などとレッテルを貼らずに見守ってほしい・・・。
そんなことを切に思います。。。。
おわりに
摂食障害で今も苦しい中に居る方が、この記事にたどり着くのかわらないし、たどり着いたとしても、なんか違うって思うかもしれません。
それでも、書いておきたかったので書きました。
過去の私は、自分の感覚や感性を押し殺していたように思います。これも無意識だったので気が付きませんでした。
自分と向き合ったり、自分と会話したり、自分をギューって抱きしめたり・・・。
そんなことをしながら、やっと今、「自分が大切」って思えるようになりました。
だけどね、やっぱり今でも「太る」のは嫌。
お腹がすいた時は食べるし、決して健康的な食生活を送っている訳ではないです。揚げ物とか大好きだし。
ただ、食べる事への罪悪感も怖さもなくなった。当時との違いはそれだけのようにおもう。
「食べる事への罪悪感や怖さ。太ることへの過度な恐怖」
これってやっぱり、自分の心の問題だったんかなっておもう。
「自分の存在が大切」 そんな風に想える方が増えるといいなぁ・・・・。
今、苦しさの中にいる方が、少しでも心を落ち着く瞬間がありますように。。。
あと、「自分自身のことを知る」ということに少し時間を使って欲しいなぁ・・って思います。
自分と向き合ってみたり、ほかの人と話してみたり・・・。
誰か一人にでも届くと嬉しいです。
きっと食べ物のことでいっぱいで余裕がないかもしれないけれど、他の人と本音で話してみたりすることで新しい自分を知ることができたりするので。
※摂食障害に関するご相談を受けることがありますが私はカウンセラーではなく自分の体験談しか話すことはできません。個別相談はお受けできないことをご了承ください。
この記事も読んでもらえると嬉しいです。
以上、オクユイカ(@Saba0m)でした。
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