自信のない子どもを育てていませんか?~主体的に行動できる子どもの育て方~

こんにちは。オクユイカです。

先日、ご縁がって日本小児科医会の研修会に参加しました。

その際に、臨床心理士・上級教育カウンセラーでもある布柴靖枝先生の講義の中で“ダブルバインド”という言葉が出てきました。

とても大事な事なので、学んだことと自分の体験をまぜて、できるだけ分かりやすく書きたいと思います。

ダブルバインドによって無意識に子どもの自信を奪っているかもしれませんよ(; ・`д・´)

 

「僕、どうせダメだから」という小学生

教員免許を取得するために小学校に教育実習で通っていた時に、ある男の子と出会いました。

その子は正直に言うと、不器用な男の子。

グループで話し合いをしていた時に、彼の発言は同じグループの友だちに受け止めてもらえません。

けれど先生からは意見を出すようにいわれ、どんどん表情が曇っていくのがわかりました。

こんな状況だと自信なんて持てませんよね。意見を受け入れてもらえないんだもん。

 

その男の子は他のことも挑戦しようとはせず

「僕、どうせできないし・・・」と言うようになっていました。

ええーーー、まだ小学2年生なのに、そんな言葉言うんだ・・・と当時の私はちょっとショックでした。。

 

布柴先生によると、「どうせだめだと思うから」という言葉を発するお子さんは、ダブルバインドをかけられた子どもという1つのサインだそうです。

 

ダブルバインドとは?

ダブルバインド=二重拘束 という意味で

矛盾するメッセージを同時に送ること

言葉だけではわかりにくいので例をいくつか載せますね。

親と子の買い物シーン

親:今日はなんでも買っていいのよ(^^)

子:わーい、やったぁ!!じゃあこれにする!

親:それはダメよ、部屋が汚れちゃうから!

子:え・・・じゃあ、これ・・・・。

親:ちょっと高すぎるからダメ。これなんかどう?

子:・・・・。

この場合、親は子どもに「なんでも買っていいよ」という言語的メッセージを送りながらも、結局、その言葉と裏腹に

「これはだめ」「あれはだめ」

という矛盾したメッセージを送っています。

 

上司と部下(私の実体験)

ある会議にで。

上司:「どんどん意見出して、思ったこといってくださいね」

私:「私は◯◯だと思います・・・」

上司:「それはダメ。他にないですか?」

同僚B:「◯◯っていうのはどうかと思いますが・・・」

上司:「それ、辞めといたほうがいいわぁ」

こんな会議が毎回続いた結果、誰もが上司が思っている正解を言おうとする会議になりました。

意見を言いにくい堅い雰囲気に・・・・だってあまりにもざっくりあっさり斬られて“どうせ”受け入れてもらえないんだもん!!

けれどA先輩は

「思ったことどんどん言ってくれないと!」とイラッとしています。

“言え”という言語的メッセージですが、言った結果の態度は拒否。

矛盾してますね。これもダブルバインドです。

 

顧問と部員(これも私の実体験)

部活をしていたときのこと。試合結果が悪かったことなどが重なり、顧問が怒っていました。

顧問:「もう、練習なんてしたって意味がない。やめだ、やめ。」

部員:「練習させてください!」

顧問:「おまえらほんとに練習したいのか?!ちゃんと言え!!」

私:「練習したいです!」

他の部員:「練習したいです!!」

私たち部員の本音は

「もう疲れた・・練習なんてもうしたくない・・・」

という気持ち。キャプテンだった私が「練習したいです!」と言うまでは沈黙が・・・。

だけど、練習したくないなんて言ったら、その後がどうなるかが怖いです。

これも顧問によるダブルバインド。

 

このように親と子だけに限らず、上司・部下の関係、先輩・後輩、そして夫婦間などある程度上下関係が発する場面では無意識におきている可能性があります。

(意識的にダブルバインド行っている人もいるだろうけれど)

私がダブルバインドを受けた例ばかり挙げてしまいましたが、私自身誰かに対してダブルバインドをしていることもきっとこれまでに沢山あると思います・・・反省。

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ダブルバインドをしないためにすべきこと

 

ダブルバインドの怖いところは、自分自身では気づきにくいこと。

親と子の関係の中でありそうなことを挙げると、

・褒められると思ってお手伝いをしていたのに、細かいところまで口うるさく言われる。

(僕がやってもどうせうまくできないのか・・・)

・昨日は笑顔で“いいよ”と言っていたのに、今日は同じことをしても“ダメ”と言われる

(一体どっちなのかわからないよ!!)

・なんでも挑戦しなさいね!というのに、試そうとすると、それはダメ!と怒られる・・・

(なんでもっていったくせに!!)

 

まだ言葉の裏のメッセージや表情を読み取るコミュニケーション能力が備わっていない子どもにとっては、

行動の裏に隠れたメッセージを読み取るなんて難しいです。

だからこそ、混乱しないように言葉と行動の矛盾をなくすことが大事。

具体的には以下のようなことです。

 

言ったことは守る。

最初のスーパーでの親子の例の場合

「なんでも買っていいわよ(^^)」

と言ったのであれば、部屋が汚れそうな粉物のお菓子をもってきてもいいことにします。

高い物をもってきても・・・そう言ったからには約束を守って買ったほうがいいですね(^_^;)

 

あらかじめ条件をつける

言ったことを守るって言ったって、親だって困ることがあるはず。

そんな時は最初に

「○○の中で、なんでも買っていいよ」「粉物以外であれば、なんでも買っていいよ(^^)」

と、条件をつけて、シンプルにわかりやすく伝えるとよいです。

 

肯定的な言い方にする。

「まだ〇〇してない」「なんで〇〇しないの?!」と否定的な言葉を使う場合、

その裏から”〇〇してない自分はダメなんだ“ というメッセージが含まれてしまうし、

「しなさい!」という強制的な意味もふくまれており、これが積み重なっていくと信頼関係もこわれてしまいます。

「〇〇するといいよ」「〇〇しておくと後でらくだよ」などと肯定的な言葉にするとよいです。

してほしいことは、シンプルに「〇〇してほしい」とわかりやすく伝えましょう。

 

支配しようとしない

子どもは支配下におかれやすい立場にいる存在です。

こんな上司嫌だから辞めてやる!というような選択が難しい。

逃げられない状況って苦痛です。だからこそ心がけたいこと。

自己決定ができるような雰囲気を作ったり気持ちををいいやすい環境づくりをしていくことが大切。

 

おわりに

ダブルバインドは自信を失わせたり、主体性を奪うもの。

”こどもだから”

”わかってないから”

という想いを持っていると、子どもはストレスですし、いずれ爆発するかもしれません。

まだ未熟な部分が多くあるにしても、じっくり話を聞いたりしながら向き合っていくことが大切です!!

子どもに限らずそうですよね。誰だって支配下におかれて気分のいい人はいないはず。

年齢に関係なく、相手を一人の人間として尊重するということ、大切にしていきたいですね。

子どもたちが自信を持って何かに取り組んでいる姿や、自由に伸び伸びとしている時の姿ってほんと輝いていますよ(^^)
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このブログの運営者
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 おくゆいか 

介護福祉士、NPO法人スタッフ、特別支援学校教員、青年海外協力隊を経て今に至ります。好きなように生きてるアラサーレズビアン。福祉の枠を超えた福祉を作るため勉強中。写真を普通に撮るのが恥ずかしいので、だいたい変顔しています。

<詳しい自己紹介はこちら>

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おく ゆいか。
介護福祉士→発達障害関係のNPO法人→特別支援学校教諭→退職して青年海外協力隊etc...
”みんな違ってみんないい” を実現する社会をつくるために、NPO法人TetoCompanyを設立し
大分県竹田市にて地域の交流拠点や福祉事業を運営。
小心者でおっちょこちょい。
LGBTサポートチームココカラ!共同代表。LGBT当事者として大分県内で講演活動等もしてます




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