こんにちは。オクユイカです。
障害児放課後等デイサービスというものは知っていますか??
放課後等デイサービスとは
障がいのある児童・生徒(小、中、高)が学校が終わった放課後や夏休みや土日の休みに通うことができる場所のことです。
生活能力向上のための訓練等を継続的に提供する場として、放課後等の居場所づくりとして在ります。
第一条に規定する学校(幼稚園及び大学を除く。)に就学している障害児につき、授業の終了後又は休業日に児童発達支援センターその他の厚生労働省令で定める施設に通わせ、生活能力の向上のために必要な訓練、社会との交流の促進その他の便宜を供与することをいう。
引用:児童福祉法 第一章 第六条の二の二 4
平成24年度の児童福祉法の改正によって、児童デイとよばれていたものが、放課後等デイサービスという名前に変わりました。また、これを機に、民間企業が参入し、事業所が一気に増えました。
私自身が放課後等デイサービスで働いていたり、教員時代や今も、自分自身の勉強のために事業所を見学にいかせていただくことがあります。
素敵な事業所さんは、本当に素晴らしい支援をされて、つい ”すごーーーい(゜-゜)” と声に出してしまうこともあるくらい。
その反面、”え・・・・・” と思う事業所さんもあります。
今日は、そんな経験を生かして、放課後等デイサービスの選び方について、書きたいと思います。
目次
放課後等デイサービスの支援の質の二極化が問題に
ビジネスとして参入している民間企業が増えたのは、仕方のないことだと思いますが、
問題となっているのが、それに伴う支援の質の低下。
ずっと発達障害のお子さんの支援をおこなってきたNPO法人の方とお会いしてお話をすることがあったのですが、
重度の障がいを持つお子さんが他の事業所を断られて、自分のNPO法人に来ることが増えて、なんだかやるせない気持ちがあるとおっしゃっていました。
重度の障がいを持つお子さんが放課後デイで安心・安全に過ごすために支援員が一対一でつかなければならないこともあります。
安全に安心して過ごすためには支援の知識や工夫が必須です。
絶対にあってはならないことだと思いますが、例えば、子どものことを無視して、営利目的で放課後等デイサービスをすると考えた場合はどうでしょう。
事業所に入る報酬は一人当たり送迎込で約1万円という形になるので(利用者負担はわずか)、日々の子どもの人数が多い方がよいのです。
児童の人数が10名までは支援者2名以上、10名を超えるときは、10を超えて5名又はその端数を増すごとに1加えて得た数以上
という決まりがあるので、
利益を最大限出そうとすると、毎回、10人定員をうめて、支援者2人のみにして人件費を抑えるのが一番ということになります。
・・・しかし、子どもたちに色々な体験をさせようとしたり、しっかりとした支援のことを考えると10人で2人だなんて無理です!!(断言)
重度のお子さんだからこそ、より支援が必要。
そのようなお子さんを預かることもある。という想定を基に、お金だけを追わない運営をしていってほしいなぁって思います・・・。
子どもの障害特性を理解しておらず子どもが苦しくなっていたり、部屋に鍵をかけて遊ばせているだけ という場合、かわいそうなのは子どもなので。
やっぱり、放課後等デイサービスの目的を果たす運営をしてほしいですね。
なんだか私の想いが強くでてしまいました・・・。
でも事業所によって随分違うんだなぁ・・・というのを感じてしまうんですよね。
例えば私が現在住んでいる大阪市は・・・
大阪市福祉局が平成24年7月に行った調査でも、発達障害児を受け入れている69事業所のうち、
●視覚支援を行っている事業所:61%
●感覚統合に関するプログラムを取り入れている事業所:30%
●PECSや絵カード・マカトンなどのコミュニケーション支援を行っている事業所:46%
となっており、発達障害児に有効とされるこれらの手法を導入していない事業所が5割前後も存在することが指摘されています。
保護者の方目線で考えると、どうやって選んだらいいの?は気になるところなのではないでしょうか。
放課後等デイサービスの選び方の4つのポイント
ネームバリューで選ばない
ネット上やコマーシャルでよく聞く名前=安心 と思ってはいけません。
それは、ただ単に目立ち方や見せ方、売り込みがうまいということなのだと思います。
ネットの検索で上位にあがってくるための方法に熱を入れていたり、広告にお金を費やしているということ。
もちろんそういったことも大切なことです。
ただ、評判が良いところでも実際、ん?と思うところもあれば、その逆で、あまり目立ってない場所でも、すごいなぁと思う場所もありました。
なのでネームバリュー ”だけ” で選ぶのはやめておいた方がよいです。
職員研修をしているか
障がい特性を理解するための研修、視覚支援についてやコミュニケーション支援等の支援力向上の為の研修などなど・・・
行っている事業所はしっかり行っています。
また、外部で行われる研修に参加した時に、放課後等デイサービスのスタッフさんも来ていることがあって、ここの事業所さんは熱心だなぁと思ったことがあります。
障がいのある方と接する仕事である他の福祉現場、教育現場も同じことが言えますが、支援に関する知識がないと、自分本位の支援になってしまいます。
だから、学ぶことが大事。
”支援”に完璧なんてないと思っていますし、”自分はできてる”と思うことほど怖いです。(自分も常にそれを意識してます!)
その事業所は新しいスタッフに正しい支援方法を伝える研修をしているか?
外部研修に参加しているか?
などなど、支援に関する新しい情報を得ようとしているかどうかを見るというのは、大事なポイントだと思います。
保護者・子どもに合っているかどうか
療育的な内容を取り入れている事業所。
自由に遊ばせることが中心な事業所。
外遊びをしているかどうか
etc….。
その事業所によって違います。
療育的な内容をしっかりやってほしい!という保護者の方もいるでしょうし、ゆるーく友だちと過ごせれたら良いという保護者の方もいるかと思います。
目的や、お子さんに合う事業所を探すとよいと思います。
以下、私の話になりますが、
私自身がNPO法人で放課後等デイのスタッフとしてお子さんに関わっていた時は、
「もう少し、療育的なことを取り入れた方がよいのでは?」と思ったこともありますが
その後に特別支援学校の教員になって働いていた時は、車でお迎えに来た児童デイのスタッフに担当児童をお願いをする時は
”今日も一日がんばったね。たくさん遊んでおいで~”
という気持ちでした。なぜかというと、既に学校でたくさんがんばってるのを知っているから!!笑
立場が変わると気持ちも変わるといいますか・・・(^_^;)
お子さんに合わせて という点が大事ですね。信頼のできる先輩保護者の方や学校の先生に相談してみてもよいかもしれませんね。
支援者が意図して支援しているか?
”ただ、見守っている”
のか
”彼には今、見守りが必要。だから見守っている”
の二つとでは、大きな違いです。
子どもたちは自分で学ぶ力を持っています。
そこをうまく引き出すのが支援であり、あれもこれもお世話することは支援ではないです。
その感覚って支援者間でもズレがあることがあります。だからこそ、正しい共通知識が必要になるのであり、そのための研修が必要なんだと思います。
色々な支援者がいるからいいんだ!という考えもあると思いますし、私もそう思う気持ちもあります。
ただ、その考えでは苦しくなってしまう自閉症のお子さんがいるということは忘れてはいけないと思うんです。
(そして支援者間でTEACCHの考えやABA(応用行動分析)に関する共通理解・共通知識があると連携して支援がしやすいです!)
必ず、実際に見学に行って比較をしてみてください!!
上記のことを考えると、やっぱり実際にその事業所に行ってみないとわかりません。
実際に見学に行って比較をしましょう!
一回だけでなく何回も行く方が良いかもしれません。
色々な事業所がありますが、一番は、そこで働いている”人”。そしてその組織の在り方。
素晴らしい支援をされている事業所さんは、やっぱり想いが強いです。
そしてしっかりとした知識に基づいています。私もそこで働いて学ばせてほしい!と今でも思ってるくらい!!
職員研修をするために・いい支援をするために、夜遅くまで準備をしているスタッフ。
それが過去に一緒に働いていた自分の友だちだったりします。
そのことを知っているので、上記に書いたようなことを完璧にするのはなかなかスタッフの負担も大きいので難しいのかなぁと思う気持ちがあるのも事実。
なので、今回は、自分が保護者だったら??という視点のみで
- ネームバリューで選ばない
- 職員研修をしているか
- 保護者・子どもに合っているかどうか
- 支援者が意図して支援しているか
を4つのポイントとして書きました。
放課後等デイサービスの選び方に迷っている保護者の方の参考になると嬉しいです。
以上、オクユイカ(@Saba0m)でした(^^)
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